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市場養生訓

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第787回

2019年09月24日

「トーマス・クック」が破産した。19世紀半ば頃設立の英国の老舗旅行会社だ。私が以前所属していた銀行の傘下にあったこともあり、よく利用していた。それだけに残念だが、これも歴史の一コマだ。ビジネスのスタイルが時代に合わなくなっていたからで、BREXITの影響はあまりない。だが合意なきBREXITになれば、老舗の破産が続出しても驚きはない。こうした状況を控えてBOEは直近の政策委員会では0.75%の政策金利を据え置いたが、BREXITの不確実性が続くようなら利下げをする見通しだ。
9月は金融政策を決める会議が多くの国で開かれ、米国は利下げ、ユーロ圏は利下げに量的緩和など、それにインドネシアなどの新興市場国も利下げや預金準備率の引き下げなどの金融緩和策を採る国が多かった。
だが例外もある。ノルウェーは政策金利を0.25%上げ1.5%とした。また為替レートに敏感なスイスと日本は、今回は現状維持とした。両国の通貨は安全通貨の役割を市場で与えられているだけに、しばしば想定外の通貨高に悩まされてきた共通点がある。それだけに米国やユーロ圏が金融緩和を強化すれば金利差の面から両国とも金融緩和措置を講ずると見られていたが、そうではなかった。特にSNB(スイス中銀)はインフレ率、経済成長率とも低下見通しを示したにもかかわらず、現状維持を決めた。
これには二つの点が考えられる。一つは、金融緩和政策の効果への疑問や副作用への懸念が増したことだ。両国とも金融緩和が最も進んだ国で、スイスの中銀の預金金利はマイナス0.75%と最も低い。
二つ目は、状況が悪化したときのために限られた手段を残しておくためだ。スイスではBREXITの行方やドイツの景気の低下、日本では消費増税の影響だ。米中貿易戦争の影響は両国とも免れない。
それにFEDとECBの金融緩和策発表後の為替レートの推移を見守るとの視点もあるだろう。どの程度通貨高が進むかだ。ある程度の通貨高は覚悟の上だろう。
スイスフラン高に対してSNBはとりあえずユーロ買いスイスフラン売りの市場介入で対処するだろうが、それでだめなら金融政策とのパッケージにならざるを得ない。日本は余程の円高にならない限り介入は難しい。為替操作、通貨安競争との批判を浴びるからだ。
その点ではOECDの予想通り来年の米国のGDPが2%に低下するとなれば、ドル金利の一層の低下は避けられず、円高の圧力は増すことになる。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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