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市場養生訓

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第807回

2020年03月10日

 株も原油も為替も戻している。さすがにここまでくると政府・中央銀行も対策を打つはずだとの期待も出る。必要な時には十分な対策を採る、とのメッセージはG7の共通したメッセージのはずだ。景気見通しの悪化、コロナウイルスの拡大、原油価格の暴落、サーキットブレーカーも発動された株式市場、今が必要な時でなければ、一体いつが必要な時なんだ、と言うことになる。
 トランプ大統領は大胆な減税策などを打ち出すと議会関係者に言った。ECBも今週の政策委員会で何らかの措置を打ち出すはずだ。もはや金融政策はサプライチェーンの分断には効果がないと指摘するだけでは済まされない状況だ。
日銀もマイナス金利の副作用を口実に高見の見物を決め込み、ただ神風を期待しているだけでは情けない。
 それにしても昨日の原油暴落は衝撃的だった。一時30%以上下落した。原油価格維持を狙うOPECの盟主サウジアラビアの減産案に対し、シェアを重視するロシアが同意せず、頭にきたサウジアラビアが生産拡大を言い出したからだ。
 原油価格の暴落はサウジアラビア、ロシア両国にとって不利だ。原油収入依存の経済構造から脱却を狙うサウジアラビアは産業育成の資金が必要だ。その主要な資金源が国営石油会社アラムコの上場であった。アラムコの株価と原油価格は相関性が高い。IPOは一応成功したが、まだ売却を続けなければならない。原油価格が低迷すれば必要な資金確保は難しくなる。
 ロシアは米国のシェールオイル業者のシェア拡大を阻止するため採掘コストの高い彼らを原油価格の下落により市場から追い出すのが狙いと言われている。だがロシアも原油、石油関連商品の収入の依存度は高い。景気悪化、財政収入の減少に見舞われるロシアのダメージも避けられない。
 だがそれだけではない。影響はもっと深い。米国の業者が経営に行き詰まれば彼らの発行した債券(ほとんどジャンク債)が不良債権化する。それは他のジャンク債全般の売りに繋がる。現に昨日は大きく売られた。こうした状況が続くと信用危機が広がる可能性がある。
 そうなればマネーマーケットの流動性の危機に繋がる。まさにリーマンショックの時に生じたことだ。
 そうなる前に当局は手を打たなければならない。FEDは昨日短期のマナーマ―ケットの流動性対策として、レポによる資金供給の増額の意向を示した。昨年後半にレポ市場で金利が急騰したことを受けて始めた対策だ。
 為替への意味合いでは、現在はドル金利低下による金利差縮小が主要な変動要因だが、信用危機に繋がってくるとドル需要は増加する。ドル供給を増やしドル金利急騰を抑える当局の対策が功を奏するか否かで為替レートの方向も変わる。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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