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為替イブニング海外市場2024年11月12日

2024年11月12日
(コラム執筆時間:18時51分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円152.50~154.50
ユーロ円162.80~164.50
ユーロドル1.0550~1.0730
豪ドル円99.80~101.50
相場状況の振り返りと今後の展開予想

米国株式市場では主要3指数は続伸。ナスダックとS&Pは5日連続でプラスを維持し、NYダウは前日比304ドル高と史上最高値を更新しているなど、トランプ政権への政策期待が表面化しつつある。ただ米連邦準備制度理事会の関係筋からは、年内は緩和的な政策スタンスが見込まれており、米債券利回りの高止まりを背景にして、相対的に利益確定売りが出やすい相場環境にある。一方、世界的な株高基調にもかかわらず、東京株式市場では日経平均株価が前営業日比157円安と伸び悩んでいる。日銀の利上げ志向は弱まってはいるが、与野党の攻防を巡って政局不安が高まっており、一旦清算局面入りとの見方が先行している。いずれにしても日米欧ともに政策運営がさらに混迷を深めてはいるが、相対的にトランプ劇場に感化された状況にあり、ドルを買い戻す動きが優勢になっている。それでもドルロングも高水準に積み上がっており、またトランプ氏の潜在的なドル売り志向も嫌気されているなど、さらなるドル上昇局面では戻り売りに圧される可能性もあるだけに、高値掴みには要注意であろう。

一方、ドル円は一時154円台を付ける場面もあったが、154円台半ば以上では政府日銀による介入操作が意識されており、安易な上値トライは慎重になっている。ただ中途半端な口先介入ともなれば、再び155円台も意識されるだけに、引き続きレンジ幅ドル円152.50~154.50を重視し、同レベル前後から少なめのナンピン売買が賢明であろう。

他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料が皆無であり、米ドル主導の展開を余儀なくされている。ただ相対的には割安感を踏まえた買い戻しも散見されており、拙速的な下値トライは慎重になっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.0550~1.0730を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、152円台半ば前後から押し目買いと共に、154円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.05台半ば前後から押し目買いと共に、1.07台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業はドル円154円前後から売りを随時実施しており、現状では154円台半ば前後に集約されている模様。一方、輸入企業は今朝と同様に、152円半ば前後から押し目買いで待機姿勢を強めている模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、調整色を強めているが、ストップロス売りを交えて、上値の重さが意識されている。現状ではユーロドル1.06割れを視野に、1.05台半ば前後から押し目買いと共に、1.07台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円152円台半ば前後ではロング、154円台半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は163円割れから押し目買いと共に、164円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は100円前後から押し目買いと共に、101円台半ば以上からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.00155.00
ユーロ円162.30165.00
ユーロドル1.05001.0780
豪ドル円99.30102.00

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.00155.00
ユーロ円162.30165.00
ユーロドル1.05001.0780
豪ドル円99.30102.00
現在のポジション
ユーロドルロング50,000☆1.0650(SL1.0550売り)
前日のSL実行ポジション
ユーロドルロング50,000★▼1.0700(SL1.0650売り)-$250
2024年11月収支経過 (11/01~12日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥50,000+¥15,000
ユーロ円±¥0+¥40,000
ユーロドル±¥0-$250
豪ドル円+¥70,000+¥35,000
前日の売買&予定 東京市場
ドル円売り50,000★△153.30(153.00ロングカバー)+¥15,000
ユーロ円売り50,000★△164.30(163.50ロングカバー)+¥40,000
ユーロドル買い50,000☆1.0650(SL1.0600売り)
豪ドル円売り50,000★△101.00(100.30ロングカバー)+¥35,000
本日の売買&予定 東京市場
出来ず Nothing done
ドル円売り50,000154.30(SL154.80買い)
ドル円買い50,000152.50(SL152.00売り)
ユーロ円売り50,000164.50(SL165.00買い)
ユーロ円買い50,000162.80(SL162.30売り)
ユーロドル売り50,0001.0750
ユーロドル買い50,0001.0600(SL1.0550売り)
豪ドル円売り50,000101.80(SL102.30買い)
豪ドル円買い50,000100.00(SL99.50売り)
本日の売買予定 海外市場
ドル円売り50,000154.50(SL155.00買い)
ドル円買い50,000152.50(SL152.00売り)
ユーロ円売り50,000164.50(SL165.00買い)
ユーロ円買い50,000162.80(SL162.30売り)
ユーロドル売り50,0001.0730
ユーロドル買い50,0001.0550(SL1.0500売り)
豪ドル円売り50,000101.50(SL102.00買い)
豪ドル円買い50,00099.80(SL99.30売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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