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第639回 先週のイベント通過でややリスクオンへ!?

2018年08月27日

 8月恒例の米ジャクソンホールにおけるFRB議長やECB総裁らの講演というのは、往々にして極力無難な内容に留めておこうとされる傾向が強い。それでも例年、要人らの講演に相前後して市場がある程度動意づくことが多いのは、事前に市場が様々に勝手な思惑を膨らませ、事後に勝手に歓喜したり失望したりすることが原因である。
 今回も、市場は先週24日のパウエルFRB議長講演に対してややタカ派的なトーンになるのではないかと期待し、ドル/円は一時的にも111円台半ば近辺まで買い上げられる展開となった。実際にバウエル氏の講演が始まってからそれ以降は111.10円あたりまで若干調整することとなったが、これは一つに目先の材料が一旦出尽くしになった結果であると考えればいいだろう。
 24日は、最終的に米10年債利回りが低下し、米株価は上昇、NY金先物価格も大きく切り返す展開となり、市場は全体にパウエル氏の講演内容を「思っていたほどタカ派ではなかった」と受け取ったようなムードに包まれた。しかし、正味のところFOMC参加メンバーらの多くのスタンスはもっとタカ派寄りであるものと見られる。実際、先週20日に伝えられたボスティック・アトランタ連銀総裁の発言や21日に伝えられたカプラン・ダラス連銀総裁の発言などは、市場が想定している以上にタカ派的な印象であった。かねて言われている通り、パウエル議長は元々学者肌ではなく、つとめて調整的な役回りを演じるタイプであると見られる。その意味で、より重要なのは各地区連銀総裁ら(特にFOMC参加メンバーら)の個々のスタンスであると言えよう。
 ちなみに先週20日、トランプ米大統領がFRBの利上げに不満を示したと伝わり、一時的にもドル/円が110円割れの水準まで下押す場面があったが、これは最近の住宅ローン金利の上昇に不満を抱く米国民に対するリップサービスであったとの感が強い。米大統領の頭のなかは中間選挙でいっぱいであるに違いない。少なくとも、その発言でFRBのスタンスが揺らぐことなどは断じてないし、ゆえにドル弱気と見る必要もないだろう。

 むしろ、先週は中国人民元や上海総合指数などが下げ渋る動きとなり、先々週まで下げ一辺倒だったNY金先物価格や銅先物価格などもやや持ち直す動きとなっていた。これは単にドル高修正の裏返しということではなく、全体的な市場のセンチメント低下の流れが一巡したと見ることが肝要であろう。もちろん、先週はトルコが犠牲祭でお休みだったことから、一時的に市場のリスクオフムードが後退していた可能性もあるという点には留意しなければならない。今週からトルコが“帰ってくる”ことによって、あらためて市場の警戒感が高まりやしないか、そこは慎重に見定めて行く必要があろう。
 仮に週明け以降、トルコリラが下げ一巡から多少なりとも持ち直す動きとなれば、市場全体のムードには一段と明るさが増すこととなり、米・日株価が一段の上値を試す動きやそれに伴ってドル/円、クロス円が上値を試すといった展開も十分にあり得るだろう。周知のとおり、足下でNYダウ平均は再び26000ドル台を意識した強気の展開となってきているし、日経平均株価の週足も一目均衡表の週足雲上限と52週線に強く下値をサポートされながら先週は2週連続の陽線引けとなっている。
 一方で、先週のドル/円は目先の上値抵抗と見られていた日足「雲」下限の水準を上抜けると一気に日足「雲」上限の水準を試しに行くという少々荒々しい展開となった。米ジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演終了後も一定の底堅さは保たれたという印象で、まずは111円台半ば前後に居並んでいると見られるまとまった売りをこなせるかどうかが一つの焦点となってくるように思われる。
 111円台半ばの水準をドル円がクリアにブレイクしてくれば、次は日足「雲」上限が意識され、同水準をも上抜ければ、そこから一気に上方視界は開けてくることとなろう。
(08月27日 09:10)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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