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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第568回 当面はややドル強含みの展開が続きそう…

2017年02月13日

 先週、市場にとって最大の関心事であった日米首脳会談を一応無難に通過した。会見の場で中国の為替操作について質問された米大統領が「各国の通貨切り下げに不満を言ってきた。極めて短期間で公平な条件を取り戻す」などと応えたことで一瞬、円が強く買われる場面もあったが、ほどなく「必ずしも日本を標的とした発言というわけではなかった」との見方が広まった模様で、後に円は売り戻された。
 日米間の為替政策については、今後、日米の財務相間で緊密な議論を続ける方針が定められ、そこはケース・バイ・ケース、是々非々での話し合いが進められて行くこととなろう。トランプ氏としても、まずは安倍首相との親密ぶりを国際社会にアピールしておくのが得策との判断があるのだろう。
 いずれにしても、直接的な円安批判が飛び出してこなかったことで、とりあえず市場には安堵感が拡がっている模様。むしろ当面は、2月中にも徐々に明らかになってくると見られる新政権の経済政策のスケールや具体的内容に関心が向かいやすくなるものと見ておくことが必要であろう。
 実際、先週9日には米大統領が航空業界のトップらと懇談するなかで「2~3週間内に驚くような税制改革案を出す」と述べたことを受け、市場でドル買いの流れが急になるという場面があった。今後2~3週間内には予算教書の提出や米大統領議会演説(一般教書に代わる)が行われる運びとなっており、そのなかで大型減税やインフラ投資などを柱とする米経済政策の方向性があらためて示されることとなる。
 それらは、あくまで米議会に対する米大統領からの“提案”として示されるものに過ぎないが、だからこそかなり大胆でインパクトの強いものとなる可能性も高い。当然、市場では事前に様々な思惑も盛り上がるだろうし、実際に米経済政策の方向性が明らかになってくれば、とりあえずはドル買いの反応が強まりやすくなるものと想定される。

 米大統領が税制改革に関して発言したことや日米首脳会談を無難に通過したことなどにより、足下のドル/円は113円台後半でやや強めに推移している。先週は、一目均衡表の週足「雲」上限や89日線などの節目に下値を支えられる格好で推移し、週明けの本日は21日線を再び上抜け、同時に1月3日高値と1月27日高値を結ぶ上値抵抗線をも上抜ける動きになってきている。
 21日線をクリアに上抜ける格好となれば、まずは114円台にしっかり乗せられるかどうかが注目され、そのまま114円台で下値が固められるようであれば、次に材料次第で115円台半ばあたりまでの水準を試す展開となる可能性も十分にあろう。仮にそうした展開になった場合には、一目均衡表における日足の「遅行線」が日々線を上抜ける格好となるかどうかという点にも注目しておきたい。

 一方、足下ではユーロが再び弱含みの展開となってきていることも見逃せない。周知のとおり、先週は4月、5月に予定される仏大統領選の行方に不透明感が強まり、ギリシャの先行き不安も再燃した。先週10日には欧州委員会やECB、IMFの高官らがギリシャの財務相を交えて緊急会合を開いたが、追加融資への抜本的な進展は3月以降にずれ込む公算が大であると報じられている。
 その結果、先週10日にはユーロ/ドルが一時1.0608ドルまで下押す場面も見られており、当座は1.0600ドルの節目を下抜けるかどうかが注目される。節目を下抜けると、そこから下げが少々加速する可能性もあり、当面は対ユーロでもドルが強含みとなる可能し得が高いものと見られる。
(02/13 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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