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第571回 市場の見方は米3月利上げへと傾いたが…

2017年03月06日

 振り返れば、先週28日に米サンフランシスコ連銀総裁とNY連銀総裁がともに早期利上げに前向きな発言をしたと伝わったところから、一気に市場の見方は3月米利上げへと傾いた。
その後に行われた米大統領の施政方針演説が比較的“無難”で意外なほど“大人しい”内容だったうえ、具体策を欠きながらも大規模なインフラ投資や「歴史的な」税制改革を行う方針に触れていたことも、市場でリスクオンのムードが強まることに貢献。さらに2日には、ハト派で知られるブレイナードFRB理事までもが3月米利上げを示唆し、市場の期待が一段と盛り上がるなかで、3日のイエレンFRB議長講演のときを迎えた。
 周知のとおり、イエレン議長の講演でも「経済が予想通りなら3月利上げは適切」との発言が得られ、もはや3月14-15日のFOMCにおいて25bpの追加利上げ実施の決定が下されることは“ほぼ確実”と市場が見做すことになった。結果、もはや3月米利上げは市場でほぼ織り込み済みとなり、イエレン氏の講演と質疑応答後にドルの利益確定売りが一気に進んだことは見逃せない。いわゆる「事実で売り」のパターンだが、その流れは想定以上に強かったようにも思われる。
その点については、質疑応答のなかでイエレン氏が「米大統領の経済政策にはかなりの不確実性がある」、「大半のFOMCメンバーは大統領の経済政策で何が起こるか忍耐強く待つことを決めた」などと発言したことも一因であったと思われる。また、FOMCの日程に相前後して予算教書が提出されると見込まれることや、米債務上限引き上げ協議の期限を15日に迎えることなどを考えると、やはり「米政権にとっては金利据え置きが望ましい」などといった指摘もある。そこは、FRBの独立性の問題も含めて冷静に見極めて行く必要があるだろう。

 ドル/円については、イエレン講演後に一気に114円割れの水準まで下押すこととなったわけだが、その原因が「目先筋の利益確定売り」、「米政権の政策運営に対する不透明感」というだけでは少々解せない気もする。2日と3日に一時114円台後半の水準まで上値を伸ばして一目均衡表の日足「雲」上限を試す展開となったものの、結局は連日で押し戻される格好となったことでやや失望の反応が見られたということはあろう。
 もちろん、少し見方を変えれば、今のところは日足「雲」下限(現在は113.60円)の下値サポートが利いていると見ることもでき、今週以降は、値幅が狭くなってきた日足「雲」の上・下どちらに放れる展開になるかという点にも一応は注目しておきたい。仮に、一旦下放れる動きが見られたとしても、113円台前半に控える21日線と89日線が次の下値サポートとして機能する可能性も高いと見られる。

 今週10日には、2月の米雇用統計が発表となるが、よほど残念な結果とならない限りは3月米利上げの見方も引き継がれよう。このところ注目度が高いのは「平均時給」であり、前年同月比+2.8~2.9%あるいはそれ以上の結果となれば、あらためてドルが買い戻されやすくなるものと見られる。
 3月米利上げがほぼ確実視されてきたのにも拘わらず先週3日の米10年債利回りが2.5%割れの水準で終わったのは、やはり足下で米国の物価・インフレ水準の上昇が極めて緩やかなものに留まっていることに因ると見られる。その意味で、平均時給の伸びが一段と高まることは米金利やドルの強気材料となるだろうし、それは「3月のFOMCにおいて参加メンバーらの金利見通しがどのように示されるか」ということにも大いに関わってくることとなろう。
(03/06 09:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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