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第575回 重要イベント通過でとりあえずはアク抜け!?

2017年04月10日

 先週の外国為替相場は、数々の衝撃的な出来事や想定外のイベント・指標結果などを次々と目の当たりにし、そのたびにドルが上へ下へと振らされる落ち着きのない展開を続けることとなった。ここで少し振り返っておくことが重要であろう。
 週明け3日は前週31日のダドリーNY連銀総裁発言を受けたドル弱含みの展開からスタートするなかでロシアでの地下鉄爆破事件の一報が伝わり、市場ではリスク回避ムードが色濃くなった。結果、31日に一時112円超の水準にあったドル/円が3日のNY終値では111円を下回っている。翌4日にはドル/円が一時110.26円まで下押したが、米株価の反発や米大統領による「インフラ整備法案の規模は1兆ドルを超える可能性」との発言などで切り返し、5日には米3月ADP全国雇用者数の強い結果を受けて一時ドル/円は111円台半ばあたりの水準まで値を戻す場面もあった。
 ところが、同5日に公表された3月開催分のFOMC議事録に、足下の米株高への警戒を示す文言やバランスシート縮小が妥当との文言などが示されていたことで、再びドル/円は111円割れ。FOMC議事録の内容に対する市場の動揺は翌6日の東京時間まで引き継がれ、ドル/円は再び110円台前半の水準まで下押したが、欧米時間入り後は動揺も落ち着き、あらためて111円超の水準をうかがう形で週末7日を迎えた。
 そこに、米軍によるシリア空爆の報。慌てた市場はドル/円を一時110.10円台まで売り叩いたが、思いの外早めの段階で事態は収束へと向かい、ドル/円は切り返して一旦反発。後に発表された米3月の雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが予想を大きく下回ったことで、一瞬時ドル/円は再度110.10円台まで売り込まれる場面を垣間見たが、ほどなく切り返して最終的には111円台を回復して週を終えている。

 米軍による突如の軍事行動で市場は一瞬あっけにとられる状況となったが、リスク回避の円買いに傾く動きはそう長くは続かなかった。市場は、主にロシアの出方に関心を強めた模様だが、すでに伝えられているようにロシアの政権幹部からは緊張緩和を探るような発言も少なからず聞かれている。事前に米国からロシア側に通知があったことも明らかにされており、いたずらに米ロの対立がエスカレートするような事態は避けられそうだ。
 市場が大いに警戒していた米中首脳会談は、結局のところ共同声明を出さずに終了することとなったが、両国間の貿易不均衡を是正するための「100日計画」を策定することではとりあえず合意。今月18日から具体的にスタートする日米経済対話の場においても同じような行動計画の策定を求められることになりそうだが、今のうちからいたずらに憶測を巡らせることには慎重でありたい。
 少なくとも、今回は中国人民元の問題に直接触れたわけではなく、近いうちに米政権側から発表される見込みの為替報告において、いきなり為替操作国としての認定が下されるわけでもないものと見られる。通商問題自体は今後も尾を引くこととなるが、それは必ずしも為替問題のみにフォーカスするというようなものではないはずである。
 いずれにせよ、市場が強い警戒を示していた先週の各種イベントを通過し、結果としてドル安や円高が極端に進むような展開には至らなかった。何といっても、ドル/円が幾度も110.10円台まで売り込まれながら、110円の節目を割り込まずに持ち堪えたという点は実に印象深い。また、足下でユーロ/ドルは1.0600ドル割れの水準まで下押す展開となっており、目下のドルには相応の底堅さも感じられる。
 今週は一種の“アク抜け感”が市場に拡がりやすくなるのではないかと思われ、目先はドル/円が一目均衡表の週足「雲」上限(現在は111.36円)、さらには節目の111.50円処を上抜ける展開となるかどうかにまず注目したい。
(04/10 09:10)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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