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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第598回 なおもドル/円には上値余地!?

2017年10月02日

 先週は25日に北朝鮮の外相から「宣戦布告」発言が飛び出しはしたものの、それ以外は比較的おとなしい北朝鮮であった。とはいえ、10月10日(朝鮮労働党創建72周年)前後や10月18日(中国共産党大会開幕)前後に、また何か仕掛けてくるつもりなのであろうと思われる。来週9日は東京が休場となるため、週末に向けて徐々に10日を控えた警戒姿勢が市場で強まる可能性もあると思われる。

 とまれ、先週は北朝鮮が比較的おとなしかったこともあり、目立ってドルが反発することとなった。ドル/円は27日と28日に一時113円台前半の水準まで上値を伸ばす場面があり、一方でユーロ/ドルは一時1.1720ドル処まで値を沈めた。
 もちろん、最も大きいのは米12月利上げ期待の高まりであり、26日に講演したイエレンFRB議長の発言がそれを後押しする格好となった。なかでも「緩やかすぎる政策調整にも慎重になるべきだ」の一言は、想定されていた以上にタカ派的な発言として市場に相応のインパクトを与えたように思われる。
 また、当面は米国のインフレ率がさほど顕著に上昇せずとも他の要件を十分に満たしてさえいれば、今後も金融政策の正常化(その一環である利上げ措置)を進めることが正当化されるとのとのFRBの見解も、ここにきて市場の理解がだいぶ進んだように思われる。
 なお、公開された米税制改革案については、法人税率の引き下げぐらいは議会でも前向きに検討されるのが道理であると思うが、おそらくそれすら容易ではないのだろう。なにしろ、過去30年間もの間、何も変えられない、決められない米議会なのである。
 それでも、税制改革の話題はドルにとって「うまく行けば相応にプラス」で「うまく行かなくてもさほどマイナスにはならない」という材料であると思われる。実現性に否定的な見方も多いなか、今後の行方を“冷めた目”で見定めて行きたい

 ときに、先週は週の終わりも終わりになって、ようやく次期FRB議長人選の話題が市場でも取り沙汰されることとなった。周知のとおり、イエレン現議長は来年2月3日に任期満了の時を迎える。イエレン氏続投というケースもなくはないが、同氏はトランプ大統領が意欲的に進める金融規制の緩和方針を「控えめに進めるべき」とけん制しており、その点は大いに続投の障害となり得る。
 イエレン氏以外では、米コロンビア大学経営大学院のハバード教授や米スタンフォード大学のテーラー教授、米スタンフォード大学の客員研究員で元FRB理事を務めたウォーシュ氏などが候補に挙がっているわけだが、実のところイエレン氏以外の候補は皆、イエレン氏よりずっとタカ派的な見解をこれまでに表明している。つまり、人選の行方によっては、その話題自体がドル買い材料視される可能性も大いにあるということだ。

 テクニカル的な観点からすれば、ドル/円は日足でも週足でも一目均衡表の「雲」を上抜けて、目下は“晴れ”の状態にある。日足「雲」上限も週足「雲」上限も、ともに下値サポートとして機能する格好となっており、その点は大いに頼もしい。
 目先は、一つに月足チャート上において31カ月線(現在は113.84円に位置)をクリアに上抜けることとなるかどうかが注目される。同水準を上抜ければ当然、次は7月11日高値=114.49円が視野に入ってくるようになり、少し長い目では月足「雲」上限(10月は115.84円に位置)も一つの目安になってくると見られる。北朝鮮リスクが再び暴れ回りだしたりしなければ、短中期的に115円台を想定するのは無理のないところと見る。
 一方で、先週のユーロ/ドルは日足「雲」上限の水準まで一旦下押して、目下は同水準にサポートされる格好となっている。今後は一旦「雲」の中に潜り込む可能性が高いと見られ、そのぶん上値が重く感じられるようになりそうである。
(10月02日 09:10)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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