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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第608回 ドルを取り巻く現在の状況を再検証しておきたい…

2017年12月18日

 先週末15日、米税制改革法案が年内成立に向けて大きく前進した。米共和党上院で改革内容に反対していると伝えられていた複数の議員が、一部に修正を施した法案内容を受け入れて賛成票を投じる意向を示すようになったことが大きい。報道によれば、下院は今週19日、上院は20日にも法案を採決する方向で調整に入っているという。
 思えば、前日14日には共和党上院の一部の議員が法案に反対すると伝えられたことでドルが売られ、ドル/円は幾度か112円割れ寸前のところまで売り込まれる場面を垣間見ていた。それが急転直下、年内成立へ前進となったことで、15日のNY時間のドル/円は112円台後半の水準まで値を戻すこととなった。

 それでも、ドル/円の上値はなかなか重い。12-13日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加メンバーらによる2018年の経済成長・金利・インフレの見通しにおいて、成長見通しが前回9月よりも上方修正されたのにも拘らず、年間の利上げ見通しは「3回」と前回から変わらず、そのこと(FRBは足下の低インフレ状態がなおも続くと見ている様子であること)が嫌気されて13日のNY時間にドルは売られた。
 同日は、その前に発表された11月の米消費者物価指数(CPI)の結果が事前予想や前回実績を下回ったことによって、もともとドル売りになびきやすいムードが全体に漂っていた。その後、実際にFOMCの結果を受けてドルが一段安となったことで、もはやドル/円の上値へのモメンタムはすっかり失われてしまったとの感もある。
 翌14日に発表された11月の米小売売上高は事前予想や前回実績を大きく上回る強めの結果であった。普通に考えれば、まず小売売上高が伸びて、その後にCPIが強含みになってくるという順番になるわけであるから、この11月は小売売上高が伸びたことを大いに評価し、同月のCPIに関しては「今後に期待」ということで理解したい。
 また、今年最後のFOMCについては「年が変われば参加メンバーの顔ぶれも変わる」という点を再確認しておく必要があろう。今回のFOMCにおいて利上げに反対したハト派はシカゴ連銀のエバンス総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁であったが、この2人は来年のFOMCで投票権を持たない。代わりに投票権を握るようになるのは、クリーブランド地区連銀のロレッタ・J・メスター総裁とサンフランシスコ連銀のジョン・C・ウィリアムズ総裁で、彼らは2人とも明らかタカ派である。
 加えて、すでに新しい理事に任命されているカーネギーメロン大学のグッドフレンド教授も相当なタカ派である。同氏は過去に「FRBはインフレ率が『議論の余地のない』レベルまで待つ傾向がある」などと指摘しており、その志向はかなりのタカ派だ。
 つまり、この12月のFOMCに参加したメンバーらによる経済成長・金利・インフレの見通しが必ずしも2018年に引き継がれるとは限らない(むしろ、よりタカ派寄りになる可能性が高い)ということであり、結果としてFOMC後にドルが売られたという事実にも少々解せないところはある。

 なお、先週は欧州の政治情勢にも幾つかの気になる動きがあった。まず、ドイツ第2党の社会民主党が15日にようやく第1党であるキリスト教民主・社会同盟との大連立協議に応じることを承認した。交渉は年明けからで、仮に協議が順調に進んだとしても新政権の樹立は2月以降になるという。なおも、部分連立や交渉決裂、戦後初の再選挙という選択肢も残されている状態であり、ドイツ政局の行方は前途多難と言える。
 また、同じ15日にはオーストリアで第1党の国民党が極右の自由党と連立政権樹立で合意した。ユーロ圏全体で右傾化の流れが強まり、メルケル独首相やマクロン仏大統領の求心力、統率力は低下の一途。長い目でユーロの価値を損なわせる可能性は大であり、今後も慎重に見守って行かねばなるまい。
(12月18日 09:15)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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