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第611回 日銀会合やECB理事会後にドルは一旦買い直される!?

2018年01月22日

 先週20日に米連邦予算が失効したことにより、目下のところ米政府機関は一部閉鎖の事態となっている。米議会は日曜日も審議を続けるという異例の対応をとっており、今のところ市場の動揺や反応は限られたものに留まっている。
 政府閉鎖解除に向けて、米上院では中道議員約20名の超党派グループが一段の選択肢をとりまとめ、超党派案として共和・民主両党の指導部に提出。本日(22日)午後3時ごろまでには何らかの結果が伝わってくる見通しとなっている模様だ。

 いずれ何らかの譲歩案に基づく打開策が見出され、とりあえずは米政府閉鎖解除の運びとなろうが、一方で本日から日銀金融政策決定会合が行われることもあり、外為市場では全体に様子見ムードの強い状況が続きそうである。
 周知のとおり、今月9日に日銀が超長期債の買入オペを僅かに減額したことに伴って市場の一部に緩和縮小の可能性を取り沙汰するムードがあることは事実である。そのことによって、ことにドル/円には売り圧力がかかりやすい状況となっており、今回の日銀会合の結果が明らかになるまでは、基本的に上値の重い展開が続くと見られる。
 個人的に、先の「減額」に対する市場の反応は過剰であると見ており、今回の日銀会合においても当面の政策方針について現状維持の方針が示されるものと考える。そうであるとするならば、日銀会合の結果と総裁会見の内容が明らかになる明日(23日)の午後以降はドル円の上値の重しが一旦外れやすくなると見る。
 なお、明日のNY時間には昨年11月に新たにFRB理事に指名されたマービン・グッドフレンド氏の指名承認公聴会が米上院において行われる予定となっている。一部伝え聞くところによれば、同氏は金融引き締めに積極的な「タカ派」との評があるとのことで、場合によっては同氏の発言に市場がやや強めに反応する可能性もないではないと見て、一応は注意しておきたい。

 また、今週は25日に行われるECB理事会についても市場の関心度が非常に高い。市場ではガイダンス変更の可能性を取り沙汰する向きも少なくはなく、前回の理事会の議事要旨が公開された今月11日以降のユーロ/ドルはかなり強含みでの推移を続けている。先週あたりは、さすがに足下のユーロ高の影響を危惧する声も聞かれたが、今のところユーロ/ドルは高止まりの状態を継続している。
 筆者は、この点についても日銀の件と同様に市場が前回理事会の議事要旨に対して過剰に反応した結果であると見ている。緩やかに利上げを続けるFRBに対して、日銀やECBが少々目立った動きをみせてはくれないか、このあたりで少々目立ったトピックが欲しいという市場の思惑はわからないではないが、それが「やや先走り」、「勇み足」となった例は過去に少なくない。市場の「思惑」でドルが一旦売られた後、「事実」でドルが一旦買い直されるというパターンである。今回の理事会後の会見でドラギ総裁がユーロ高をけん制するような発言をする可能性もあり、仮にそうなれば結構キツイユーロ売りとなろう。

 ユーロ/ドルについては、やはり月足チャート上において一目均衡表の月足「雲」上限の水準(現在は1.2424ドル)が当面の上値抵抗として軽視できないものであると見る。それは、2014年3~5月の月足が月足「雲」上限の水準に見事なまでに上値を押さえられたことからも言える。
 一方、ドル/円については今週の日銀会合やECB理事会などのイベント通過後、一つには200日線が位置する水準(現在は111.74円)を取り戻せるかどうかが注目される。下値については110円割れの可能性を取り沙汰する向きもないではないが、もはや下値余地はいい加減に限られると個人的には見る。
(01月22日 10:30)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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