FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第614回 やはり、このところのドル/円の下げは行き過ぎ!?

2018年02月19日

 先週16日、ドル/円は一時105.55円まで下押す場面があった。正直言って、下げ過ぎであり、またやり過ぎ(仕掛け過ぎ)との感は否めない。
 無論、このところのドル/円の一辺倒な下げについては、実に様々な理由や口実が挙げられよう。少なくとも、例年2月15日は米国債の償還費&利払い日にあたり、伴う円転とそれを見込んだドル売り・円買いが仕掛けられやすかったことは確かである。
 また、3月期末決算に向けて本邦機関投資家によるレバトリーションの動きが続きやすいことも事実であり、この点については新年度(来期)入りの声を聞くまでは、基本的に円買い要因として市場で意識され続けることとなろう。

 一方で、安倍政権が黒田日銀総裁の続投を決めたことや新しい副総裁に雨宮氏、若田部氏という“リフレ派”の2人を充てたことなどは、明らかにドル/円の強気材料となり得るものであった。しかし、そこは「(ドル/円の)弱気相場に買い材料なし」ということになるのであろう。
 むしろ、12日に米政権が予讃教書を議会に提出したことで、あらためて米財政赤字拡大の可能性が必要以上に取り沙汰されるようになり、市場では足下の金利上昇傾向を「悪い金利上昇」と単純に決めつける風潮も色濃くなってきている。足下の金利動向の良し悪しを決めつけるのは、甚だ時期尚早である。ただ、米景気が明らかな拡大傾向を辿っているなかで、さらに大型減税と大規模インフラ投資の“人気取りパフォーマンス”を演じようとする米政権のかじ取りに一抹の不安を感じないこともない。
 とはいえ、一部で取り沙汰されている「スタブグレーションの可能性」については、少々呆れ果てるし、発言者の見識・常識を疑わざるを得ない。言うまでもないことだが、目下の米金利上昇は、あくまでも「一頃行き過ぎた債券バブルが徐々に正常化に向かっていることの結果」であり、いまだ米長期金利の水準自体も正常化への途上にあることを指し示す水準である。
 そもそも、本当に市場が「トランプを放っておいたら米財政赤字は膨らみ続け、悪い金利上昇は止まらず、保護主義的な政治色も一層強まる」と懸念し、それをドル売り材料視しているのであれば、件の「モラー米特別検察官がロシアの故人や企業を訴追」というニュースは、むしろドルにとってのグッドニュース(ドル買い材料)ということになるのではないか。少々皮肉めいた物言いをしたが、実際に今の市場は「さして格別な理由などなかったとしても、とにかくドルを売りたい」という状況にあるのだろう。換言すれば「とかく為替相場はトレンドが出やすく、ひとたびトレンドが出るとそれが長く続く」ということになるのだろうが、それにしても現状は行き過ぎている。

 もちろん、いくらドル/円の下げの“行き過ぎ”を理路整然と指摘したところで、それで必ずしもトレンドが転換するとは限らない。ただ、過去を振り返ってみれば、今回のような“行き過ぎ”の感覚を2~3週間程度持ち続けていると、実際に“その修正”が生じることも少なくないのは事実である。
 先週16日のNY時間帯には、米3連休を控えたポジション整理に伴うドル買い戻しをも一因とするドルの戻りも一定程度は見られていた。米株式相場が落ち着きを取り戻しつつあると見られることも考慮すれば、今週以降はドル/円がある程度持ち直す可能性もあるのではないか。
 株価との兼ね合いで言えば、日経平均株価が先週14日に一時200日線を試す動きとなり、同時に東証1部の騰落レシオ(25)が80を大きく下回り、日経平均株価採用銘柄の予想PERが13倍を割り込んだところで、目先底入れ&反発したことも見逃せない。
(02月19日 09:45)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第614回 やはり、このところのドル/円の下げは行き過ぎ!?