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第622回 ひとまずはシリア懸念消化も次は日米首脳会談を要警戒

2018年04月16日

 米英仏3カ国は13日、シリアのアサド政権への軍事攻撃を実施。標的はダマスカスの化学兵器研究開発拠点などで、後に会見したジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長は「標的は破壊された」と述べた。
 そこでまず気になるのは、ひとつにシリアの後ろ盾であるロシアの出方である。基本的には当面の市場動向をさほど大きく左右するほどの 材料にはなりにくいと思われるが、シリア攻撃によってロシア人の傭兵が死亡したとの報も伝わっており、今後の米露関係の行方について一定の警戒は怠りなくしておく必要もあるだろう。
 週明けの市場には、今回の軍事攻撃の影響をとりあえず見定めたいとのムードが拡がりやすいと思われるものの、土曜&日曜を挟んでのことでもあることため「極端なリスク回避の対応にはならない」と見る向きも少なくないように思われる。そもそも、抜本的な効果が以前から疑問視されていた軍事行動にあえて踏み切った背景には、米大統領が抱える露疑惑をはじめとした米内政の問題から民衆の関心を逸らす狙いもあったと見られ、そのあたりの実情は市場も十分に理解しているはずであろう。

 ドル/円については、もともと3月下旬以降にリバウンド局面入りしたとの感触が強まっていたところであり、先週13日には一時107.78円まで上値を伸ばして直近(4月5日)高値を上回る場面もあった。
 結局、13日の日足ロウソクが上ヒゲを伴うものとなったことは少々気に掛かるが、目下はとりあえず一目均衡表の日足「雲」下限を上回る水準で推移しており、それ自体が一つの心理的な下支えになるところもあるものと思われる。また、すでに日足の遅行線が日々線を上抜ける動きとなってきていることも、3月下旬まで続いた下げ一辺倒の展開に対する一つの「変化」として捉えておきたい。
 ただし、今週は17-18日に米フロリダで行われる日米首脳会談を控えており、米側から日本の為替政策や金融政策、通商政策などに注文をつけてくる可能性に対して警戒するムードが強まる可能性も大いにあろう。その意味では、週を通じてもみ合いの展開が続くことをある程度は覚悟しておく必要もあるように思われる。
 もちろん、同会談を無難に通過しさえすれば、むしろ週半ば以降は一種のアク抜け感が拡がる可能性も十分にある。結果、ドル/が2月21日高値=107.90円~108円処を上抜けてくるような展開となれば、ひとまずは89日線や日足「雲」上限(現在は109.32円に位置)を意識した展開へと向かう可能性もあろう。

 一方で、足下のユーロ/ドルについては、長らく方向感の見出しにくいもみ合いの展開が続いていることに相変わらず変わりはない。1月下旬以降に一種の保ち合いフォーメーションが形成されており、これが昨年1月安値=1.0340ドルから約1年続いた強気トレンドに対する「転換」の兆候と捉えることもできるように思われる。
 思えば、やはりユーロ/ドルの1.2500ドル処というのは、2008年7月につけた史上最高値とその後の主要な高値を結ぶ長期レジスタンスラインに上値を押さえられても当然と考えざるを得ない水準であり、また2008年7月高値から2017年1月安値までの下げに対する38.2%戻しの重要な節目水準でもある。
 よって、ユーロ/ドルの上値はある程度テクニカルに押さえられている部分があるように思われるが、一方の下値は「ドル安」に支えられてきた部分が多分にあると見られる。つまり、必ずしもユーロが底堅いとも言えないわけで、重要な種子目となっている1.2200ドル処をクリアにして抜けるような場面があれば、そこから一気に下値余地を拡大する可能性もあると見る。とりあえず、当面は3月1日安値と4月6日安値を結ぶサポートラインが機能し続けるかどうかに注目しておきたい。
(04月16日 09:05)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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