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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第623回 持ち直すドル相場に一層の上値余地

2018年04月23日

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 前回更新分の本欄でも想定したように、4月13日に実施された米軍によるシリア攻撃が市場に及ぼす影響は比較的軽微なものに留まり、懸案であった日米首脳会談も半ば玉虫色な内容ではあったものの、基本的には「無難に通過」と相成った。さらには、北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を中止し、実験場をも廃棄すると伝わっており、いわゆる地政学的リスクは足下で全体に大きく後退している。
 地政学的リスクが市場で強く警戒されている状況にあるときは各種のインフレ指標があまり重要視されなくなるが、同リスクが後退すればあらためて過去の指標結果を再評価しようとする動きが見られるようになる。結果、先週はドル指数が上昇し、ドル/円も一時107.86円まで上昇する場面があるなど、基本的に堅調な推移となった。
 このところ、市場では米国債のイールドカーブのフラット化が「先行き景気鈍化の兆候ではないか」と懸念する声も聞かれていたが、米長期金利の頭を押さえているものの一つが米大統領の保護主義的な言動であったと理解しておくことも重要であろう。つまり、イールドカーブのフラット化が将来の景気鈍化に直接的に結びつくものでは必ずしもないということである。
 実際、4月に入って中国が市場開放の方針を打ち出したり、日米首脳会談を無難に通過したりするごとに、あらためて米10年債利回りの水準は切り上がりはじめ、先週20日には一時2.964%と4年ぶりの高い水準にまで達する場面があった。そう容易いことではないのだろうが、このまま心理的節目である3%を超える展開となってくれば、目の前の景色も大きく変わってくるに違いない。

 ドル/円は4月に入って21日線を上抜ける動きとなり、すでに同線自体が上向きの推移となっている。加えて、4月12日以降は終値で一目均衡表の日足「雲」下限を上抜ける展開を続けており、先週は同水準がドル/円の下値サポートとして機能した。
 現在突入している日足「雲」はかなり分厚く、相応に手強い“壁”という印象もないではないが、それだけに攻略・撃破した時のインパクトも強いだろう。まずは昨年11月高値から直近安値までの下げに対する38.2%戻し=108.50円処や89日線(現在は108.60円)あたりが当面の上値の目安になると思われるが、それらの水準を試す過程で日足「雲」を上抜ける可能性だってないとは言えないだろう。
 既知のとおり、そもそもドル/円は2015年6月に125.85円の高値をつけて以降、現在もなお三角保ち合い(トライアングル)を形成していると考えられる。このトライアングルはA-B-C-D-Eの5波構成になると見込まれ、そのうえで2016年12月高値からの調整をC波とすると直近(3/23)安値=104.64円はC波の終点=D波(リバウンド波)の起点と考えることもできるものと思われる。
 なお、このトライアングルの上辺(2015年6月高値と2016年12月高値を結ぶレジスタンスライン)は現在112円台後半あたりの水準にあり、その点を踏まえたうえでD波の目標値というものを考えると概ね110円あたりという水準が中期的な上値の目安として想定されてくる。

 一方、ドル指数の上昇が続くなかで当然のことながらユーロ/ドルの上値は重くなりがちとなっている。今週は26日にECB理事会が行われるが、すでにブルームバーグが関係筋の話として伝えているように「量的緩和(QE)終了の判断や示唆は7月の理事会まで待つ方向」との見方が市場で徐々に拡がっている。よって、場合によってはユーロ/ドルが重要な下値支持ラインである1.2200ドル処を割り込んで切る可能性もあると考えられ、そうなると一気に下値余地が拡がることとなろう。
(04月23日 09:10)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。


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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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