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第629回 目白押しの重要イベントをしっかり見定めたい!

2018年06月11日

 先週8日からカナダで行われた主要7カ国首脳会議(G7)サミットは、事前に想定されていた通り、貿易問題で米国VS米国以外の対立の構図が鮮明となり、玉虫色のムードを残したままの幕引きとなった。ただ、とうに市場はトランプ米大統領の妄言や挙動に慣れっこになっているようなところがあり、むしろ関心の中心は今週相次ぐ各種の重要なイベントや指標結果に移っている模様である。

 一つは12日に行われる米朝首脳会談であり、よほどの波乱でもない限り、基本的には地政学リスクの後退を市場が歓迎するムードとなろう。もちろん、最大の焦点は北朝鮮の非核化に向けた取り組みということになるわけだが、近頃のトランプ大統領は「時間をかけても構わない。速くやることもゆっくりやることもできる」と北朝鮮側に伝えているとも言われており、仮に今回の会談で「非核化の即時達成」に向けた明確な方向性が示されなくても市場の反応は限られよう。
 今一つは12-13日に行われる米連邦公開市場員会(FOMC)が注目されるが、とりあえず今回の追加利上げ実施決定は既に織り込み済みであり、言うまでもなく焦点は「参加メンバーらによる金利見通し(ドットプロット)」と「パウエル議長会見の内容」ということになろう。とどのつまりは、今年の米利上げが年3回になるのか年4回になるのかに市場は最大の関心を寄せているわけであり、年4回となる可能性が否定できない限りは安易に突っ込んだドル売りも難しい。
 とはいえ、米金利があまり極端に上昇してしまうのも考えモノであって、足下で好調な米株価の強気の流れが変調を来すような方向となれば、再び市場のムードがリスクオフに傾く可能性もないではないため、そこは慎重に見定めねばなるまい。
 14日にはECB理事会が行われることとなっており、これも非常に注目度が高い。既知のとおり、先週6日にECBのプラート理事が今回の政策会合で債券買い入れの年内終了を議論するなどと述べたことにより、足下では俄かにユーロの買い戻しが目立つ状況となっている。
 個人的には、あくまで「ようやく議論のテーブルにつく」という方向性が示唆されただけであって、ECBによる量的緩和の出口に向けた具体策が出てくる可能性があるのは、早くて7月(26日)の会合になると見る。なにしろ、年初からのユーロ圏の景気減速がデータとして出てきていることは事実であり、今のところその原因について納得のゆく説明は得られていない。また、とりあえずイタリアやスペインの政局は一応の落ち着きを見たものの、なおもポピュリズムの勢いが増していることに変わりはなく、安易に警戒を解くべきではないと考える。

 ユーロ/ドルは、5月29日に重要な心理的節目の1.1500ドル処でわかりやすく下げ止まって反発することとなったが、目先は1.1800ドル処で戻り一服という展開になっている。前述した通り、今週のECB理事会に対する期待はあるが、とかくECB理事会は事前の市場の期待を裏切ることが少なくないため、ここは手放しで買い上がる続けることも少々躊躇われる。
 ユーロ/ドルの4月17日高値から5月29日安値までの下げに対する38.2%戻しは1.1855ドル処似あり、大よそ1.1800-1.1850ドル処というのは一つの節目として意識されそうなところではある。果たして、ECB理事会の声明やドラギ総裁会見の内容によって同水準を上抜ける展開となってくるかどうか、しっかり見定めたい。
 なお、ドル/円については基本底堅い展開を予想するが、先週上値を押さえられた200日線がなおも上値抵抗として機能する可能性があり、その点は留意しておく必要があろう。
(06月11日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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