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第649回 依然としてドルは底堅い推移を継続…

2018年11月26日

 なかなか下げ止まらない原油相場が市場全体に重苦しいムードをもたらしている。先週23日のWTI原油先物価格は1月限の終値が50.42ドルと、約1年1ヵ月ぶりの安値に沈んだ。10月初旬につけた直近高値から3割以上も値を下げる展開となっており、たまらず米エネルギー株が大幅に下落していることが、相場全体を圧迫している。
 “あのトランプ”が“あのサウジ”に減産をしないようけん制していることは、やはりどうにも気になるところ。もちろん、世界的な景気減速に伴う石油需要の下振れが警戒されている部分もある。現実には、それらを手掛かり(≒口実)として投機的な売りが仕掛け的に発生していると見ればいいのだろう。いずれは下げ渋る局面も訪れると思われるものの、目先は下値のメドがつけにくい状況であると言わざるを得ない。
 ただ、この原油安がドル高をもたらしていることも事実であり、結果としてドル/円は底堅さが感じられる値動きを続けている。先週16日に21日線を下抜けてから以降のドル/円は、なかなか同線を再ブレイクすることができない状態を続けながらも、足下は一目均衡表の日足「雲」上限あたりでサポートされる格好となっている。
 米株価が弱含みの展開を続けていることがドル/円の上値は押さえられがちとなっているものの、一方で今週30日のG20首脳会議の場で行われる予定の米中首脳会談の結果に対する淡い期待も完全に消えたわけではない。市場からは「合意は何も出ない」、「大枠の議論が中心」との声も少なからず聞かれ、その通りの結果になったとしても「すでに織り込み済み」ということにはなろう。

 むしろ、より注目度が高いのは目下のところユーロ/ドルの行方であると言える。先週末23日のユーロ/ドルは終値で21日線を下抜ける動きとなっており、11月13日以降の短期リバウンドが11月20日高値をもってすでに終わったとの感もないではない。
 振り返れば、ユーロ/ドルは11月12日に1.1214ドルでひとまず下げ渋って反発することとなったが、それは2017年1月安値から2018年2月高値までの上げに対する61.8%押しの節目に到達したことが一因になったと見られる。
 その意味からして、13日以降のリバウンドには自ずと限りがあると個人的には見ていたが、実際に19日、20日あたりの高値は9/24高値から11/12安値までの下げに対する38.2%戻しの水準に近く、そこで押し戻される結果となった可能性は大いにあろう。仮に再度のリバウンドを試すことになったとしても、やはり1.1500ドルの節目や50%戻し=1.1515ドル処、さらに一目均衡表の月足「雲」下限が位置する1.1513ドル処などを上抜けることは容易でないと考えられる。しかるに、当面のユーロ/ドルについては基本的に戻り売りのスタンスで臨みたい。                     

 前回の本欄でも触れたように、やはり今しばらくはユーロとポンドを取り巻く環境の変化から目が離せない。周知のとおり、欧州委員会は先週21日、イタリアの2019年予算案を巡って、EU財政ルールに基づく制裁手続き入りが「正当化される」との報告書をまとめた。欧州委員会は12月上旬にも制裁手続き入りを正式にEU財務理事会へ勧告し、同理事会は年明け1月にも「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」に入ることを正式決定する見通しであるという。
 一方、英国によるEU離脱の行方については、やはり来年1月に山場を迎えると見られる英国議会での承認が得られる可能性は極めて低いと見ておかざるを得ない。このままだと、実際に「合意なき(協定なき)離脱に向かう可能性も大いにあると見ざるを得ず、暫くはすう勢的なポンドの反発は期待しにくい。ポンド安が一段と進めば、それはユーロの上値をも阻むこととなろう。結果、なおもドル高の流れは基本的に変わらないと見る。
(11月26日 08:25)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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