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第653回 ドル/円は長大な下ヒゲ出現で一旦リバウンド!?

2019年01月07日

 新しい年を迎えても、明けて早々から米アップルの話題が市場を引っ掻き回したりている。個人的には「アップル1社が売上高見通しを下方修正したぐらいで、一体何をそんなに大騒ぎしているのか?」と不思議でならないのだが、取引の現場では、例によって諸々の材料に対してやけに過敏な反応を見せる厄介者=「アルゴ(アルゴリズム取引)」が “大活躍”した模様。とまれ、もはや市場のメカニズムにビルトインされてしまっている以上は、アルゴの忌まわしい過敏性をも念頭に置いたうえで向き合うしかない。
 周知のとおり、このアルゴはトランプ米大統領やムニューシン財務長官、パウエルFRB議長など、米国を中心とした各国・地域の要人らが発した言葉の事細かな内容にもご丁寧に反応する。思えば、前回(12月)のFOMCにおいてもパウエルFRB議長の会見内容が伝わり始めた途端に市場は大きくリスクオフに傾くこととなった。ちょっとした言葉尻を捉えては、それを材料に徹底的に売り叩いたり買い煽ったりするのである。

 恨み節の一つも唱えたくなるが、むしろそうした市場の反応を短期で戦略的に利用するという手もあるものと思われる。当然のことながら、アルゴの判断が常に正しいわけではない。よって、一時的にも市場が過剰反応した場合、後にそのリターンムーブが生じる可能性も十分にある。先週末4日も、事前の予想以上に強い内容であった米雇用統計の結果を受けて一旦108円台半ばまで上昇したドル/円が、後に伝わった米経済学会でのパウエルFRB議長の講演内容を受けて反落し、一時108.06円処まで値を沈める場面があったものの、最終的にNY終わりにかけては再び108円台半ば値まで値を戻す流れとなった。
 この日のパウエル議長の発言はややハト派的な内容と市場で捉えられた模様。結果、一旦はドルが弱含みとなったが、逆に米株価が大幅上昇(史上7番目の上げ幅)となったことで、市場全体にはリスクオンのムードが漂うこととなった。
 やはり、パウエル議長にも「自身の発言の内容にアルゴが過敏に反応する」という自覚はあるはず。その意味で、4日の講演内容にあっては、前日(3日)の米株価大幅安に配慮した部分も大いにあるものと思われることは言うまでもない。

 それにしても、先週3日のドル/円に一時的にも105円割れの水準までの瞬間的暴落=フラッシュ・クラッシュが生じたことは極めて衝撃的であった。やはり、これも「アルゴの仕業」であると考えられるわけだが、結果として非常に長大な下ヒゲが出現したことによって、むしろトレンドが一旦転換した可能性もないではないものと考えられる。
 少なくとも、とりあえず3日のドル/円の安値が2018年3月安値=104.64円を下回らなかったことは一定の評価に値すると言えるだろう。そして、結局のところ先週の週足ロウソクが過去にもあまり例を見ないほど長い下ヒゲを伴うものとなったことも見逃せないものであると言える。いくら「トランプ」、「米中」、「アルゴ」などによって不確実性の高い状況が続くとはいえ、これだけの下ヒゲが出て、その後に一段の下値を探る展開となったことは過去にあまり例を見ない。
 目先は、まず先週3日のクラッシュ前に位置していた108.80-109.00円処の水準を取り戻せるかどうかが一つの焦点。仮に同水準を奪回したとして、次に注目したいのは一目均衡表の週足「雲」が位置する109.70-80円処を取り戻す展開となるかどうかである。既知のとおり、日本の大企業・製造業における2018年度の想定レートは109.41円とされており、これよりも円安に振れるようであれば、再び日本株の上値の重しも外れやすくなるものと思われる。
 幸い、先週4日の米株大幅上昇で、CME日経平均先物の値も2万円台を再び奪回することとなった。あらためて、日経平均株価の2万円台固めが進めば、ドル/円も次第に底堅さを増してくるようになると見る。
(01月07日 08:50)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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