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第657回 日足で「三役好転」のドル/円は基本強気

2019年02月18日

 既知のとおり、ドル/円は先週11日に一目均衡表の日足「雲」上限を上抜け、そこに「三役好転」の強気シグナルが示現した。先週末にかけては一旦調整含みの展開となったものの、なおも21日移動平均線(21日線)が下値をガッチリとサポートする格好になっており、底堅い印象に変わりはない。
 14日には一時111.13円まで上値を伸ばす場面があり、一旦は200日移動平均線(200日線)を試すような格好となったが、同線のすぐ上方には89日移動平均線(89日線)も控えており、今のところ両線の抵抗はやや強めであると考えられる。むろん、それだけに両線をいずれ上抜けるような展開となれば、そのインパクトはかなり強いと言えよう。
 市場では、14日に発表された12月の米小売売上高が弱めの結果であったことを警戒する動きとの解釈がなされているようだが、既に伝えられているように昨年の「米年末商戦」はすこぶる好調であったと伝わっており、そうしたことを考え併せると今回の指標結果にはどうもしっくりこないところもある。どのみち、米消費の基調は依然として強いと見られ、いずれは再評価する動きも見られるのではないかと思われる。
 なお、先週のドル/円は週足ベースでも週足「雲」上限を上抜ける格好となっており、年初からの出直り基調はなおも継続しているものと判断される。ちなみに、月足ベースでも先週の高値は月足「雲」上限(現在110.61円)を超える水準となっており、やはり2月の月足・終値で同水準を上抜けるかどうかが注目される。
 その点、3月1日とされる米中貿易協議期限の「延長」に向けた調整が、2月末までには進むと見られる点は大きいと言える。ただ、同じ3月1日を期限とする米連連邦債務上限の問題については今のところ予断を許さない状況と言え、それが「一旦ドル売り」のトリガーとなり得る点については一応の警戒を要する。

 ときに、ここもとの金融市場全体を概観するに何より目を見張るのは、先週15日の急騰もあってNYダウ平均が12月初旬(3日)の高値=25980ドルに「あと100ドル弱」という水準にまで迫っていることである。周知のとおり、15日はトランプ米大統領がメキシコとの国境の壁を建設するため非常事態を宣言するという暴挙に出たわけであるが、それに対して米株式市場はほぼ無反応であった。
 むしろ、政府閉鎖が回避されたことを好感することの方が優先された格好で、言うなれば「いいところ取り」、「強気相場に悪材料なし」ということになるのだろう。当面、NYダウ平均の12月3日高値の水準から11月8日高値の水準に見られる価格ゾーン(25980~26277ドル)は一つの上値抵抗として意識される可能性もあるが、最大の関心事である米中貿易協議の今後の進展具合によっては、いとも容易く同ゾーンを超えてくる可能性もないではない。

 また、米株高などの支えられるドルに対してユーロやポンドがあまりにも弱く、相対的にもドル優勢の展開になりやすいという点も依然変わりない。
 ユーロ/ドルは先週13日、14日に終値で節目の1.1300ドルを下抜ける展開となり、15日には長めの下ヒゲを伴う陽線(日足)となったものの、ユーロ圏経済の先行き不透明感が一段と強まっている状況にあって、ここから積極的に買い上がることも躊躇われる。
 もっとも、先週は新たな条件付きリファイナンスオペ(TLTRO)の実施についてECB内で議論されているとの話題が市場で取り沙汰され、むしろ景気刺激策への期待でユーロが買い戻されるという一幕もあったようだ。もはや、単に「域内景気が鈍化している」、「年内の利上げ期待は大幅に後退」などの材料で「ひとまずユーロ売り」という局面ではなくなってきている可能性もないではなく、その点は今しばらくじっくり見定めたい。
 (02月18日 09:10)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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