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第670回 なおも米株価やドル/円などに一定の下値余地

2019年06月03日

 先週31日、恐怖指数(VIX指数)は一時19.72まで上昇した。4月半ばには一時11.03まで低下する場面があったことから、当時との比較では2倍ほどの高さではあるが、5月9日の一時23.38や昨年12月24日の一時36.20という水準に比べれば、まだ大騒ぎするほどのレベルではない。
 思えば、近年のVIX指数の急上昇というのは、ほとんど例外なく米中貿易協議絡みであり、ここまで引きずると「さすがに市場の反応も徐々に鈍くなりがちになる」ということなのだろうか。それにしては、米・日の株価が連日ストン、ストンとやけに大きく下がり続けるので、正直なところ少々背筋が寒くなってきたりもする。ことに、先週末にかけてはNYダウ平均が当面の下値支持レベルと見られていた25200ドル処を下抜け、さらに心理的節目の25000ドルをも週末&月末の終値で下抜けており、そのマイナスのインパクトは相当に大きいと言わざるを得ない。
 そもそも、米10年債利回りの低下傾向が少々異常とも言えるほど足下で強まっているという点がやはり気になる。やや過剰反応であるとしても、それほど市場のムードが一気にリスクオフに大きく傾いていると考えれば、そのこと自体の影響が今後、各国の消費および景気全般に及んで行く可能性に対しても警戒しておく必要があろう。

 むろん、対ユーロや対ポンドで消去法的にドル高が進む状況となっている以上、リスク回避の円買いの流れが少々強まったところで、ドル高との差し引きでドル/円の下値はある程度限られるのかもしれない。
 とはいえ、先週31日のドル/円の日足ロウソクが久方ぶりの長い陰線となり、ほとんど下ヒゲを伸ばすこともなかったというのは、いかにも印象が悪い。ここで3月5日高値と4月24日高値の「ダブルトップ完成」が明確になったと考えれば、今後一旦は107.円台前半の水準を試しに行く可能性があると考えるのがセオリーではある。
 加えて、先週の週足ロウソクが2週連続して一目均衡表の週足「雲」下限を終値で下抜ける格好となったことも当面の弱気材料になり得る。少し長い目で、2016年6月のブレグジットショック時の安値と2018年3月安値、あるいは今年の年初にフラッシュ・クラッシュが生じたときの安値を結ぶラインが当面の下値支持になるとしても、やはり一旦は107円台前半あたりの水準を試しておかしくないということになりそうだ。
 少し振り返れば、ドル/円は先週30日に一時109.93円まで上値を伸ばす場面があったわけで、米政権による対メキシコ制裁関税の話題が飛び出してくるまでは「週足・終値が週足『雲』下限よりも上方に位置するようになる可能性」にも期待していないわけではなかった。いずれにしても、このところの市場の失望度合いは小さくない。

 もちろん、ユーロやポンドの上値余地がいまだ見出しにくいことも相変わらず。なにしろ、31日の欧州債券市場でドイツ国債が更に買い進まれ、10年債利回りがマイナス0.2%台と、2016年につけた最低記録を更新したというのだから無理もない。
 もともと、米中の貿易摩擦問題が激化すれば、それだけ中国経済への依存度が高い欧州への影響も大きくなり、同問題はユーロ売り材料と見做されがちである。一方、米中間の問題が長引けば、そのダメージは確実に米国よりも中国の方が大きく受けるわけであるから、なおも消極的なドル買いが基本路線ということになる。
 また、今月は英国でも次期首相選びが本格化するわけで、そこは大いに波乱含みであると言える。今のところは、まだ複数名の候補者が乱立しており、必ずしも「合意なき離脱」とは限らないというムードも残るが、これから候補者が絞り込まれるごとにEU懐疑派が勢いを増してくることとなれば、ハードブレグジットへの懸念がジワジワと強まる可能性もあろう。
(06月03日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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