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第671回 行き過ぎた米利下げ期待には要注意!?

2019年06月10日

 やはり、米政権による対メキシコ制裁関税の発動は見送られた。お得意の“脅迫”でメキシコをねじ伏せたトランプ米大統領にしてみれば“我が意を得たり”といったところだろうが、支持票目当てのトランプ氏に好き勝手やられて大いに振り回された投資家の立場からすれば、本当にたまったものではない。
 いまさら土壇場で発動を回避したところで、その可能性を警戒して米・日の株価が一旦大きく下げたという事実もはや動かしようがなく、結果、ひとたび萎えてしまった消費マインドはそう簡単には回復しない。そのおかげで今後、米経済指標のあまり振るわない結果が相次いで飛び出すこととなれば、過去のFRBによる利上げなどの政策対応が“犯人扱い”されることとなり、いやがおうにもFRBに政策的なプレッシャーが強くのしかかる。
 そして、いまや市場では7月米利下げや0.5%ポイントの大幅利下げ、年内2回の利下げなどといった憶測も飛び交う始末となっている。むろん、目下の市場における米利下げの憶測・期待は行き過ぎと言っていいだろう。それだけ米中摩擦に対する懸念が強いということなのだろうが、いずれは一旦揺り戻しが生じる可能性が高いと思われる。

 とまれ、足下で米利下げ期待が盛り上がり、その結果として米株価が上昇し、市場のリスク選好ムードが徐々に回復してきていることも事実ではある。米株価の上昇に連れて日本株も一定の戻りを試す展開となれば、ドル/円にも一定の上値余地が出てきておかしくはない。先週7日に発表された5月の米雇用統計の結果は、たしかに市場の先行き警戒につながりかねない内容であったものの、目先は対メキシコ制裁関税の発動が回避されたことを、まずは評価する展開が見られていいだろう。市場のリスクオフ・ムードもやや緩むこととなり、ドル/円、クロス円にも一定の反発余地が生じると見られる。
 とはいえ、あくまで米利下げ観測が前提であることを考えると、今しばらくはドル/円の上値にも多くを期待することがなかなか難しい。当面は、せいぜい頑張って21日移動平均線あるいは週足「雲」下限付近までが上値の目安ということになろうか。
 なお、目下のところ下値については107.80円処というのが相当に強いサポートとして意識されやすい。今のところは、まだ4月下旬に112.40円を付けた時点から形成されている「下降チャネル」内での推移が続いていると見ることもできるが、今年1月3日にフラッシュ・クラッシュが生じた後の値動きを振り返ると、同日の終値や翌日(8日)の安値は107.50円処にあり、総じて107.50-108.00円処というのは下値サポートとして意識されやすいところであると見られる。

 一方で、やけに勢いよく上値を伸ばす展開を続けたのが先週のユーロ/ドル。これも、一つには市場における米利下げ期待の盛り上がりが要因であり、その点では前述したように一旦揺り戻しの動きが生じる可能性に注意しておきたい。
 結局、先週のユーロ/ドルの週足は終値で31週移動平均線(31週線)を上抜けることとなり、それは4月下旬以来のことである。とりあえず“メキシコ問題”が解消されたとはいえ、目下のように米利下げ期待がやけに盛り上がっている状況下では、いましばらくユーロの買い戻しとドルの売り戻しが進むのも道理ということか。
 いや、そもそも米利下げ観測の元凶は米中対立なのであり、その相手国である中国の景気動向はユーロ圏の今後に大きく影響する。結局、最終的に割を食うのは米国よりもユーロ圏なのであり、そうしたことも大局的に捉えたうえで目先の値動きを冷静に見定めていくことがやはり必要であろう。その意味で、なおも31週線は上値抵抗として意識されるだろうし、ユーロドルの1.1350ドル処は年初から形成されている下降チャネルの上辺水準でもある。とりあえずは戻り売りで対応したいと個人的には考える。
(06月10日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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