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第672回 行き先は「甚大なダメージ」か、それとも「バブル」か?

2019年06月17日

 先週と先々週のドル/円の週足ロウソクをあらためて確認すると、思わず笑ってしまうような形状であることがわかる。いかに値動きが少なかったかが一目瞭然で、目下の市場が少々過度なまでにリスクに対して神経質になっている様子がうかがわれる。
 米国でトランプ氏が何を呟くか常にオドオド、中東のホルムズ海峡付近で再びタンカーが何者かによる砲撃を受けやしないかビクビク……。少なくとも、今月下旬の大阪G20サミットに中国から習近平国家主席がちゃんと参加して、米中の両首脳が大人しく会談の席につくかどうかを確認するまでは、誰もが本腰を入れてドルを買うに買えない、売るに売れない。むろん、首脳会談が実現しようと、両者の話し合いが一定の合意に至らなければ元も子もない話ではある。
 現在の米トランプ政権は、日ごとに“脅威”のプレッシャーを中国側に与えながら習氏の出方を待っている。最終的に習氏からある程度の譲歩を引き出すことができれば、市場のムードは一気に和らぐこととなろうが、逆に習氏が決死の覚悟で対抗する姿勢を露わにしてくれば(暴発してしまえば)、もはや事態の収拾は極めて困難となる。市場のムードは地に堕ちることとなるだろう。
 一方、英国による欧州連合(EU)離脱の行方もいまだ不透明なまま。先に行われた英与党・保守党の党首選挙の1回目の投票では、強硬離脱を主張するジョンソン前外相が事前の予想通りに大差で首位となり、足下では「合意なき離脱」の可能性がジワジワ高まってきていると考えざるを得ない。あろうことか、彼らが渇望するハードブレグジットが現実のものとなり、一方で米中交渉が事実上「決裂」となれば、世界中に及ぼされるそのダメージは「リーマン・ショック級」の甚大なものとなる可能性もあると個人的には考える。

 逆に、米中貿易協議やブレグジットの先行きに比較的“穏当”な道が示されることとなったならば、いま市場に垂れ込めている深い霧も一気に晴れることとなろう。市場のリスクオフ・ムードは大きく後退し、米景気が再び拡大傾向を辿り始める可能性が高い。
 もともと米景気は底堅く推移しているにも拘らず、そこに予防的な利下げ措置を講じたりすれば、その後の景気はかなり勢いよく拡大傾向を示すこととなるだろう。また、それ以前に市場の利下げ期待が煽られることによって米株価が大幅に上昇し、その資産効果が米景気を一層拡大させることにも貢献するはずである。
 現時点でも、世界のマネーはジャブジャブの状態であるわけであるから、ここで金融政策当局が「緩和」のペダルを踏み直したりなどすれば、その結果は間違いなく「バブル」につながるものと思われる。

 「甚大なダメージ」なのか、それとも「バブル」なのか……米中交渉やブレグジットの行方がもたらす結果は、それほどまでに両極端なものとなろう。だから今は動けない、動きようがないというのがホンネのところであろうと思われる。
 ただ、一つ間違いのないことがある。「横暴」にも見えるトランプ米大統領の政策方針は、結果的に米国経済にもダメージをもたらす可能性があるものの、仮にそうなれば米国以外の国・地域における経済的ダメージはもっと大きなものとなる。したがって相対的にはドル優位となり、少なくともユーロ/ドルやポンド/ドルの上値は重いままとなろう。その場合、一旦は円高の要素が強まる可能性もあるが、それでもある程度の時間が経てば徐々にドル高・円安の方向に傾いて行くと見るのが適切であろう。
 もちろん、政策によって米景気や米株価などに上向きの効果が発揮されれば、そこは普通にドル優位の展開がしばらく続くこととなり、この場合はリスク回避的な円高の流れも生じにくい。この6~7月に相次ぐ国際的なビッグ・イベントと夏季休暇期間を通過すれば、いよいよ外為相場も本格的に動き出そう。今しばらくは虎視眈々とチャンスを狙うときである。
(06月17日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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