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第683回  ユーロ/ドルはECBやドイツ政府の出方を横にらみ…

2019年09月30日

今月9日に更新した本欄で、筆者は「ユーロ/ドルが再び1.1000ドルをクリアに下抜ける場面が訪れることは避け難いと個人的には考えており、その場合、当座の目線は1.0800ドル処の重要な節目水準まで下がると見る」と述べた。そして案の定、その後のユーロ/ドルは暫く1.1000ドル処に下値を支えられる場面があったものの、25日には長めの陰線を描きながら下落し、先週末27日には一時1.0900ドル割れ寸前の水準まで下押す場面があった。
目下のユーロ/ドルにとって1.0950ドル割れの水準というのは一つの正念場で、同水準をクリアに下抜けると次の節目である1.0800ドル処が意識されやすくなる。
なにしろ、ユーロ/ドルは日足チャート上では21日移動平均線、週足チャート上では31週移動平均線に上値を押さえられているうえ、89日移動平均線や62週移動平均線などもすべて下向きで、長らく続く弱気トレンドからどうにもこうにも抜け出せないでいる。
今後も、しばらくはユーロ/ドルについて弱気の見方を変える必要は基本的にないと思われる。とにかく、中心的な存在であるドイツ経済の成長鈍化が足下で止まらない。中国の景気低迷で製造業が振るわなくなって久しいが、そのお蔭で最近は非製造業までが煽りを受ける格好となってしまっている。周知のとおり、先ごろIHSマークイットが発表した9月のドイツ製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は2009年6月以来10年3カ月ぶりの低さとなり、いよいよ景気後退局面入りするとの懸念も強まっている。

よって、当面はユーロ安の流れがなおも続くと見ることにさほどの違和感はない。ただし、今後の欧州中央銀行(ECB)の出方とドイツにおける財政出動の可否については、少々注意を要するということも忘れてはなるまい。
周知のとおり、ECBは9月の定例理事会で金融緩和の方向性を色濃く打ち出したが、市場では「いまだ不十分」と見る向きも少なくない。10月末で任期を終えるドラギ総裁が後任のラガルド氏にどのような形でバトンを渡そうとするのか、大いに注目されるところではある。むろん、マイナス金利の深堀に伴う副作用も心配されるところであり、一段の緩和策強化については極めて慎重な判断と対応が求められる。場合により、市場の期待や思惑とECBによる実際の政策運営にギャップが生じれば、相場は波乱含みとなる可能性もあるということは一応心得ておきたい。
一方、ドイツ政府が「連邦予算には含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体の設立」を検討しているとされている点についても、今後の行方をしっかりと見定めて行くことが肝要である。いわゆる『影の予算』が創設される運びとなれば、ユーロに対する市場の評価が一変する可能性もないではなく、やはり当面はユーロ/ドルと向き合ううえで、これまで以上に厳格なポジション管理が求められると心得ておかねばなるまい。

さて、今週の相場見通しだが、いよいよ10月に突入するということで月初め恒例の重要指標発表のオンパレードには特に十分な目配りをしておきたい。なかでも、1日に発表される9月のISM製造業景況感指数にあっては、8月に3年ぶりの50割れに陥って市場を揺るがしたこともあり、今回も注目度は高い。9月を通じて米中貿易戦争が一旦休戦の方向に向かうとのムードが強まったことから、景況感自体も相当に改善しているだろうと推察する向きは多い。
 むろん、9月は米・日株価もムードの改善を織り込んでかなり強気の展開を続けた。それゆえに、むしろ当然の調整局面をこのあたりで迎えたとき、そこから市場のムードが一変してしまいやしないか、少々警戒しておく必要もあるように思われる。

(09月30日 08:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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