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第688回  米・日株価「一旦、調整」の可能性には留意

2019年11月18日

 依然、市場は米中協議の進捗状況に関する関係者らの日々のコメントに右往左往させられている。先週14日には、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が第1段階の米中合意に関して「われわれは取りまとめに近づいている」などと記者団に発言し、あらためて市場は合意への期待を強めこととなった。とはいえ、なおもそこに不確実性が漂っていることに変わりはなく、先週はドル/円も結局のところ109円台を回復することができないまま週末を迎えている。
 「遅くとも12月15日より前」であるとして、それまでにはまだ日がだいぶあるわけであるから、米中双方ともそう簡単に譲歩するはずなどない。その過程で、先日のようにトランプ大統領が「まだ何も合意していない」、「合意できなければ関税を引き上げる」などと語ったところで、それはごく当たり前のことを言っているに過ぎない。
 また、段階的な関税の見直しについて「税率の引き下げは平等に行う」などといったところで、何が真の平等かを判断することは極めて難しい。よって、たとえ双方による協議が極めて紳士的かつ着実に進められていたとしても、互いに納得が行く落とし処を見出すのは容易ではない。そうした点は十分に理解しておきたい。

 それにしても、米・日の株価は引き続き強い。先週15日には、NYダウ平均が初めて28000ドル台に乗せ、S&P500種やナスダック総合指数、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数なども揃って史上最高値を更新する運びとなった。
 米中協議の進展期待が高まっていることもあるが、先週13-14日に米議会での証言に臨んだ米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、あらためて絶妙なバランスのとれた証言を行ったことも一因と言えよう。内容は10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見と変わらず、当面の政策据え置きを市場は歓迎している模様である。
 もはや利下げは一旦打ち止めのようだが、そうかと言って当面は利上げ実施の可能性も極めて低い。まさに“ゴルディロックス状態”であるから株価は強い。ところが、米中貿易協議における第1段階の結果がわからないかぎり、米クリスマス商戦の行方なども不透明であり、ゆえに現状はドルの上値を追う動きも限られる。
 振り返れば、2017年の年明け以降、つまり米トランプ政権が発足してからずっと、ドル/円は概ね110円を挟んだもみ合い、保ち合いを続けている。相場が安定しているのは良いことであり、これはトランプ氏の一つの功績と言えるかもしれない。とはいえ、そろそろドル/円のトライアングルも「煮詰まるだけ煮詰まってきた」という感があり、その上辺が110円を少し超えたあたりの水準まで降りてきていることは見逃せない。

 今後、仮に12月15日に予定される米政府による対中制裁関税「第4弾・パート2」の発動見送りや、9月の「第4弾・パート1」を解除することによって、トランプ米大統領が農業(米農産物への関税)問題の解決を図ろうとしたならば、年末にかけて米・日株価はもう一段水準を切り上げる可能性が高い。
 むろん、そうなればドル/円が110円台乗せに挑戦する局面も訪れるだろう。結果、いよいよトライアングルの上辺および一目均衡表の週足「雲」をブレイクするようなことにでもなれば、久しぶりにドル/円にも一定の動意が見られることになるものと思われる。
 一つ留意しておきたいのは、やはり好調続きの米・日株式相場に一旦調整の場面が訪れる可能性があることと言えよう。既知のとおり、米商品先物取引市場ではVIX(恐怖)指数先物のショートが過去最大に積み上がっており、いつ巻き戻しの動きが見られてもおかしくない状態。先物が買い戻されると、VIX指数自体も一旦は上昇し、それがプログラム売買のシステムに株売りを指示させる可能性もある。株価調整で一時的にもリスクオフなら、一旦は円買いが強まることもあり得よう。      
(11月18日 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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