FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第690回  米重要指標の結果次第でドル一段高も…

2019年12月02日

 先週27日、トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名したことにより、同法は成立した。それを受けて中国側は直ちに報復措置をとる意向を示したが、今のところこれといった具体策は示されていない。中国外務省の耿爽副報道官は28日の定例記者会見で「このまま見守ってほしい。来るものは来る」などと語ったと伝わる。中国が対米制裁を講じれば、その影響が自国にも跳ね返ってくることは自明であり、その点を熟慮すると報復措置の策定もなかなか難しいことであろうと推察される。
 少なくとも、この問題が「米中貿易協議における第一段階での合意に向けた話し合いに影響を及ぼす可能性は低い」と見る向きが市場には多い模様で、結果的に足下のドルはなおも強含みの展開を続けている。
むろん、感謝祭休場を挟んでの様子見と薄商いが続いた先週の値動きはあまり参考にならないかもしれない。とはいえ、このまま中国が具体的な対米報復措置を講じることもなく、12月15日に米政権が予定している中国製品への新たな関税の発動も延期される運びとなれば、年末に向けた米株高&ドル高への期待がもう一段盛り上がる可能性もある。

 少し振り返ると、先週前半(25~27日)のドル/円は、前回更新分の本欄で「108.70-80円処をクリアに上抜けてきた場合は109.10-20円処を目安に一旦ロングを仕掛ける算段で臨みたい」とした筆者の想定通りの値動きとなった。
 それが週後半にかけて109.50-60円処まで上値を伸ばすこととなったのは、やはり一つに先週は比較的強めの米経済指標の結果発表が少なくなかったということにも因ると見られる。27日に発表された7―9月期の「米GDP・改定値」は前期比年率+2.1%と、市場予想の+1.9%を上回ったし、同日発表された10月の「米耐久財受注」も事前の市場予想よりかなり強めの結果であった。
 周知のとおり、今週は11月のISM製造業景況指数や米雇用統計などといった極めて関心度の高い米指標が相次いで発表される。思えば、11月のドル/円相場は10月の米雇用統計の結果によって、まずは月初めからグッと押し上げられた感が強く、今回も注目度は結構高い。強めの結果なら、市場は素直にドル買いで反応する可能性が高いと見られる。
先週のドル/円は週末にかけて109円処との節目と200日移動平均線をクリアに上抜ける強気の展開となった。当面は62週移動平均線が位置する109.80円処や一目均衡表の週足「雲」下限が位置する110円の少し手前あたりの水準が上目の目安ということになろう。こうした幾つかの節目がクリアできれば、ついに2015年6月以来形成されてきた三角保ち合い(トライアングル)を上放れる展開となる可能性もあると見る。
なお、目先は109.50円を軸とした109.35-65円のレンジでの値動きを中心とし、同レンジを上に放れた場合は短期ロング、下に放れた場合は短期ショートを仕掛ける算段で個人的には臨みたい。

 その一方で、ユーロ/ドルは相変わらず上値の重い展開を強いられている。なおも、31週移動平均線に上値を押さえられていることは言うまでもなく、足下では再び1.1000ドルを割り込む場面も見られている。同水準をクリアに下抜けると、あらためて10月安値の1.0879ドルが視野に入りやすくなると見ていいだろう。
 ユーロが基本弱気の展開から脱することができないのは、一つにメルケル独首相ら数人のユーロ圏首脳が景気下支えのための財政出動に対して慎重姿勢を崩していないことがあると見られる。その意味で「先週27日に欧州委員会の新委員長に就任したフォンデアライエン氏のリーダーシップがどの程度発揮されるか」という点からは当分の間、目が離せない。同氏は、ドイツ出身ながら財政出動には前向きであるとされる。欧州議会は昨日(1日)から新体制を発足させており、果たして景気浮揚への足掛かりが得られるか大いに注目しておきたい。
(12月02日 08:55)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第690回  米重要指標の結果次第でドル一段高も…