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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第708回  VIX指数=40前後だとドル/円は動きにくい…

2020年04月27日

 前回更新分の本欄で、米・日の株価について「このあたりで戻り一服となってもおかしくない」と述べた。そして案の定、先週のNYダウ平均や日経平均株価の値動きからは目先頭打ちのムードが漂った。4月6日以降、先々週末までの大幅な戻りを考えれば、当然の調整場面を迎えたとも言える。
 むろん、先週の米・日株価の動きには原油先物価格の異常な値動きが大きく関わっていたことも見逃せない。それは「NY原油初のマイナス価格」という驚天動地の出来事であり、既知のとおり、NY原油(WTI)先物5月限の価格は4月20日に一時マイナス40ドルまで急落した。これは、折からのコロナ・ショックで原油需要が世界的に激減し、実需の買いが消滅するなか、先物の限月交代に伴う売りを市場が吸収できなかったことに因る。
 口さがない一部の関係者は、この現象を「粗大ゴミの有償処理」に例えたりもしていたが、冷静に考えれば「感染症のパンデミック(世界的拡大)という異常事態下で生じた先物取引固有のテクニカルな出来事であったに過ぎない」と捉えることもできる。
 もちろん、世界が共に協調して新型コロナウイルスとの戦いに懸命に挑もうとしている状況であるにも拘らず、直ちに具体的な対応策を繰り出すことができないサウジアラビアやロシア、米国などといった産油国のリーダーらの罪は大いに咎められるべき。ただ、それももはや「時間の問題」であり、近いうちに産油国の各リーダーらが「背に腹は代えられない」とばかりに何らかの緊急対抗策をひねり出してくるのは間違いなかろう。

 むしろ、ここで注目しておきたいのは、NY原油先物価格が史上初のマイナス価格に陥るという実にショッキングな出来事があったわりに、その時点での金融市場全体の反応は比較的穏やかであったということである。
 たとえば、NY原油先物価格が急落した日と同日のNYダウ平均は前営業日(17日)終値比で592ドルの下げに“留まった”。4月2日の安値から同月17日高値までの上げ幅が3500ドル超もあったことを考えれば、600ドル弱の下げなど「調整の範囲内」と言える。そもそも「NY原油初のマイナス価格」なのであるから、そのマイナスのインパクトはNYダウ平均を2000ドルぐらい押し下げてもおかしくはなかったとも言える。
 むろん、足下で株価を支える役割を果たしているのは、日・米・欧の其々の政府・当局が矢継ぎ早に繰り出している大胆で大規模な政策の数々である。結果、徐々に市場は安定した状態を取り戻しはじめ、一頃80を超えていたVIX(恐怖)指数も足下では40前後の水準まで低下してきている。
 ただ、このVIX指数が40前後をウロウロしているような段階では、まだリスク資産への投資に対して全面的には積極姿勢で向き合いにくい。よって、今しばらくドル/円は上にも下にも動きにくい状況が続くと見ておくのが適当であろう。
 4月16日あたりから、それ以降のドル/円はずっと107.30-90円のレンジのなかでの値動きを基本的に続けており、VIX指数が大きく上下に振れない限りは、そこが居心地のいい水準ということになりそうである。ただ、今週は週明け27日から日銀金融政策決定会合、28-29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、それぞれの結果次第で少々相場が動意づく可能性もあるという点は心得ておきたい。
 一方、ユーロ/ドルは足下で1.0800ドルの節目をクリアに下抜けるかどうかの瀬戸際にある。一つのカギを握ると見られるのは、今後の欧州連合(EU)首脳会議においてユーロ共同債(コロナ債)の発行を含む「新型コロナ復興パッケージ」で詳細な合意が得られるかどうか。先週23日に行われた会議では最終的な合意に至らなかったものの、復興対策自体が必要との認識では一致している模様であり、この話し合いが頓挫しない限り、目先的なユーロの下値は限られるということになると見られる。もっとも、欧州における財政膨張の現実を考えると上値にも自ずと限りがあろう。
(04月27日 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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