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第709回  経済活動再開を好感して全体にリスク選好の動き

2020年05月11日

 先週8日に発表された4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が2050万人の減少と極めて厳しい結果になったが、事前の予想ほど酷くはなかったと市場は受け止めた模様であり、むしろ発表後はドルが一旦買い直される展開となった。
 むろん、今は過去の酷い結果に捕らわれている場合ではない。言うまでもなく、より重要なのは「これからどうなるか」ということであり、紛れもない事実として「今、欧米で経済活動を再開しようとする動きが着実に広がっている」という点を市場は評価しているようである。実際、先週8日の日経平均株価は前日終値比+504円の大幅高を演じて2万円の大台に乗せる動きとなった。さらに、同日のNYダウ平均も+455ドルと2%近くの値上がりを見せて24000ドル台を回復している。
 既知のとおり、米国では4月末に行動制限の期限が到来し、すでに30を超える州が規制を徐々に緩和し、経済活動を段階的に再開する方針を掲げている。また、ドイツではメルケル首相が先週6日、商店の営業規制を撤廃し、9日からすべての商店の営業再開を許可すると発表した。5月後半にはドイツ・サッカーリーグ(ブンデスリーガ)が無観客を条件に再開するとも報じられており、これは前向きなメッセージと捉えていいだろう。
 なお、フランスは本日(11日)から厳しい外出制限が緩和され、小学校なども再開される模様。また、イタリアでは先週4日から製造業や建設業などが既に再開しており、同国の就業人口の約2割にあたる400万人が職場復帰を果たしたとされている。

 もちろん、あまりに拙速な「再開」はウイルス感染の再拡大、第2波、第3波の到来につながる恐れも大いにあり、その点に対しての警戒はいまだ市場に残っている。その意味で、今しばらくは「第2波到来の兆候の有無を含めた主要各国における経済活動再開の進捗度合い」というものが、引き続き市場で材料視されることとなろう。
 加えて、新型コロナウイルスの「治療薬ならびにワクチンの開発・承認・生産・出荷などの状況」も相場の先行きを左右する重要な手掛かりとなりそうである。その点、日本政府が先週7日に「レムデシビル」を承認し、月内には「アビガン」も承認に漕ぎつけると見られていることは、少なくとも日本株の強気材料の一つとなり得よう。むろん、結果的に日本株が底堅く推移し続ければ、それだけ市場のリスク選好ムードも高まりやすくなる。
 ちなみに、米国バイオ医療ベンチャーのモデルナは先週7日、同社が手掛けるRNA(リボ核酸)ワクチンについて「近く治験の第2段階に入る」と発表している。それと並行して生産開始に向けた準備も進められる模様で、最終段階にあたる治験の第3段階に入るのは今夏ごろになるものと大いに期待されている。

 そうしたなか、足下でVIX(恐怖)指数が30を下回る水準まで低下してきているという事実も決して見逃せないものと言える。また、その結果として豪ドル/円が再び70円処の節目水準まで値を戻してきていることも大いに注目される。
 振り返れば、OPECプラスの協調減産協議が決裂した3月9日に豪ドル/円は70円処をクリアに割り込み、その後は窓を開けて大きく下落する場面があった。一時は60円割れの水準を垣間見るに至ったが、それ以降は徐々に値を戻して4月23日以降は一目均衡表の日足「雲」をクリアに上抜ける動きとなった。目下は、この日足「雲」上限が下値サポートとして機能しており、いよいよ70円処をクリアに上抜ける展開となれば、豪ドル/円の上値余地が大きく拡がるとともに市場全体のムードも一層改善することとなろう。
 もちろん、米中対立への懸念が上値を押さえる可能性も払しょくはできない。ただ、先週末に米中首脳が電話協議を滞りなく行ったと伝わったことが、今のところは市場に安心感をもたらしている。足下では、NY原油先物価格も比較的堅調に推移しており、当面は豪ドル/円の上値に期待しつつ、それがドル/円ならびにクロス円全体の上値余地を拡げることにつながるかどうかも見定めたい。
(05月11日 08:50)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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