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第715回 コロナ禍が増幅させた過剰流動性の存在は軽視できない

2020年06月22日

 6月8日以降、ドル/円とクロス円はともに頭打ちの状態となっており、なかでもユーロ/円の下げがとくにきつい。一頃までのユーロがやや買われ過ぎだったと思われることや市場のリスク選好ムード後退で全体に円高傾向が強まっていることは事実だが。同時にドル高の傾向も強まっていることでドル/円の下値は限られている。
全体のムードがいまひとつ冴えないのは、言うまでもなく中国や米国において新型コロナウイルス感染拡大の第2波に対する警戒が日増しに強まっていることに因る。米国ではアリゾナ州やフロリダ州などでの感染症例数がこれまでで最も大きく増加しており、米アップル社は前出の2週を含む計4州で展開する11店舗を再閉鎖したと伝わる。

 やはり、アップルの話題は相応に市場へのインパクトが強く、先週末19日の米株価は最終的に冴えない展開となった。ただし、必ずしも悲観一色といったムードではない。6月9日以降、米・日株価が上値の重い展開を続けていることも市場全体のムードをややリスク回避的にしているが、ともに意外なほど底堅いといった印象。むろん、そこには一つに経済活動の本格的な再開に伴う根強い景気回復期待があると見られる。
 実際、先週16日に発表された5月の米小売売上高は前月比17.7%増と過去最大の改善を示した。また、18日に発表された6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も、データを溯ることができる1968年以降で最大の上昇となった。
思えば、一時は厳しい行動規制によって世界中で多くの需要が“蒸発”した。結果、大半の経済指標や景気データが過去に例を見ないほど酷く落ち込んだわけであり、そこからの持ち直し具合が「過去最大」となるのも当然と言えば当然ではある。
 振り返ると、今年3月、4月の各種データは壊滅的に悲惨な結果であったが、市場は「既に織り込み済み」であるとして、あまりマイナスに反応しなかった。ところが、5月以降のデータの多くが改善傾向を示していることに対しては、それを素直に好感してプラスの反応を示すケースが少なくない。
そこには、やはり行き場を探し求めて彷徨い続ける過剰流動性の存在があると考えていいだろう。なにしろ、過去数カ月の僅かな期間に世界の主要な中央銀行は各国・地域の歴史上、始まって以来の膨大な資金供給を行ってきたのである。その結果、目下の市場が多分にバブル的な要素を孕んでいるということは疑いようのない事実と言える。

 現に、6月10日のナスダック総合指数は10000ポイントの大台に乗せて史上最高値を更新した。また、世界の景気動向に敏感な豪ドルの対円レートは今月8日、昨年12月高値の76.54円を上抜けて昨年5月以来の水準に到達した。足下の世界景気がコロナ以前の水準に遠く及んでいないのにも拘らず、米株価や豪ドル/円はコロナ前の水準を超えるところまで上値を伸ばしたわけである。
これが、まさに“過剰流動性の為せる業”であるとすれば、感染拡大第2波への警戒が段階的にも和らぐ局面を迎えたとき、米・日株価や豪ドル/円をはじめとするクロス円、ドル/円には一段の上値余地が生じる可能性が十分にあると言えよう。
 前回更新分の本欄でも述べた通り、なおもドル/円については一目均衡表の日足「雲」下限が下値サポートとして機能し続けるかどうかに注目しておきたい。仮に同水準を下抜ければ、次に106円処が意識されやすくなろう。基本的に当面、下値は限定的であると考えられ、それは対ユーロでのドルの買い戻しが続くと見られることも一因と考える。
 6月10日まで、ユーロ/ドルは域内の景気回復期待で大きく上値を伸ばしたが、市場では「やや行き過ぎ」との見方が元から強かった。欧州中央銀行(ECB)のバランスシート拡大は基本的にはユーロ売り材料であるということも再認識しておきたい。目先的にユーロ/ドルが21日移動平均線をクリアに下抜けると、まずは節目の1.1100ドルを試しに行く可能性が高いと見る。
(06月22日 09:15)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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