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第718回 米国の株高&債券高でドル/円の上値は重い

2020年07月13日

 依然として、足下の外国為替相場は株価睨みの状況にある。既知のとおり、先週は基本的に中国株が超強気の展開を続けたことで、それを受けた米国株も高止まりの状態を続けることとなった。ことにナスダック総合指数は連日、過去最高値を更新し続ける状況となっており、基本的に市場のリスク選好ムードは持続している。
 とはいえ、米フロリダ州やテキサス州、カリフォルニア州でウイルス感染による死亡者数が過去最多となっていることで、市場における感染拡大「第2波」への警戒がなかなか緩みそうにないことも事実。市場関係者のなかには「そうした警戒心が相場の過熱を抑えていることにより、むしろ株価は堅調に推移しやすくなっている」との見方もあるが、警戒が緩まないことには米金利の上昇も望めず、結果、リスク選好のドル売りの方がリスク選好の円売りに勝るといった構図も描かれやすい。
 よって当然、ドル/円の上値は重くなりがちとなり、実際に先週は週末にかけて107円処をいともあっさりと下抜けるやや弱気の展開となった。10日の値動きから、ドル/円の下値は目下のところ106.80円処で支えられていると見られるが、同水準をクリアに下抜けた場合、やはり次は106.00円処が意識されやすくなると見られる。

 なお、足下ではユーロ/ドルの買い戻しも優勢となっており、総じてドルは独り負けの状態にあると見ることができそうである。
既知のとおり、目下は欧州委員会から提案されている新型コロナ復興基金についての協議が、そう遠くない将来において合意に至るとの期待が根強くある模様。今週は17-18日に臨時の欧州連合(EU)首脳会議が行われる予定となっており、場合によっては同会議で合意に向けた前向きな話し合いが進む可能性もないではないと市場では見られている。
 また、前述した中国株高を受けてのユーロ買いといった側面もあるのだろう。EUの主要貿易相手国である中国の景気が回復に向かうとの期待が、ユーロ圏の経済活動をも回復させるとの見方が目下のユーロを下支えしているということである。
むろん、財政規律を重んじる「倹約4カ国」が復興基金案に合意するためのハードルは依然として低くはない模様である。よって、今週の首脳会議では合意に至らず、7月中に再び首脳会議を開くとの観測も一部では浮上している。
 また、中国の景気回復も「V字」というには程遠く、2020年通年の成長率見通しは平均1.6%程度に留まるとされる。中国の貿易相手となる世界各国の景気回復度合いが依然として十分ではないうえ、足下では再び米中対立が深刻化する懸念も強まっている。
米中対立の構図については、言うまでもなく11月に行われる米大統領選の日程が迫ってきていることで、ますますトランプ氏が中国に対して強硬な態度を取りやすくなるといった点に要注意。足下の中国株高についても「あくまで官製」と見る向きは多く、その持続性には疑問符がつきかねない。先週末10日には、中国国営ファンドの売りが観測されていたとも伝わっており、あまりにも急ピッチな値上がりに対しては、そろそろ警戒感が募りはじめてもおかしくない。

 よって、目先はユーロ/ドルが上昇一服となる可能性もあると見られるが、それで「ドル買い圧力が一層強まってドル/円にも上値余地」と言えるほどことは簡単ではない。
少々気になるのは、先週末の豪ドル/円がついに一目均衡表(日足)基準線を下抜ける動きとなったことである。いまだ「クリアに下抜けた」とは言えないし、週明けの日本株が強気の展開となれば、あらためて基準線の上方に浮上する可能性も大いにある。
しかるに、目先は日経平均株価と豪ドル/円の値動きをじっくりと見定めたうえで、結果的にドル/円が一段と値を切り下げる展開になるのかどうかを判断したい。また、ユーロドルについては再び1.1400ドル処を試す可能性もあると見られるが、その場合は一旦戻り売りで対応したいと考える。
(07月13日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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