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第719回 なおもユーロ買い優勢の流れは続くのか?

2020年07月20日

 先週の外国為替市場ではユーロの強基調が特に目立つ格好となった。それは、何より週末17-18日に予定されていた欧州連合(EU)首脳会議で7500億ユーロの復興基金創設に向けた協議が合意に近づくとの期待が強まったことが大きい。
 その期待は、結果的にユーロ/ドルを一時1.1452ドルまで押し上げることに貢献したわけであるが、これは「少々先走り過ぎ」との感があったことも否めない。
 前回更新分の本欄でも触れたように、もともと財政規律を重んじる「倹約4カ国」は基金創設に慎重な構えを見せており、ことにオランダなどは同基金が返済不要の補助金中心であることに猛反対の姿勢を示していた。基金の多くを受け取ることが見込まれるイタリアやスペインなど南欧諸国の財政事情を考慮すれば、やはり融資中心にすべきとの声が挙がるのも当然のことであった。
 むろん、一定の妥協と修正の余地はあるし、コロナ禍のダメージから立ち直ってユーロ圏経済を再起動させるという基金創設の本来の目的は非常に尊い。ユーロ圏の財政統合と今回の基金は区別する必要があるとされるものの、やはり象徴的な意味は大きいだろう。よって、足下で一旦ユーロ買いの流れが強まることも十分に理解の範疇ではある。
 それにしても、足下のユーロ高は些か期待先行ではないかと個人的には思われてならない。もちろん、これといった手掛かり材料を他に見出しにくいなか、世界的な株価の堅調推移を背景とした「リスク選好のドル売り」、あるいは米国でコロナウイルスの新規感染者数の増加に歯止めがかからないことを嫌気したドル売りが強まっていることで、消去法的にユーロが買われたという側面もあろう。

 ただ、ここにきて全体にやや変化の兆しが見え始めていることには要警戒である。
 まず、先週の中頃から中国株の調整が少々目立つ格好となってきている。先々週まで見られていた中国株の急ピッチな上昇は「力ずく」との感も否めなかっただけに、一段の深押しとなった場合には高止まりしている米・日の株価にも影響するだろう。
 むろん、米国における異常なまでのウイルス感染の広がりもそろそろ看過できない状況となりつつあり、ワクチン開発への期待だけでは株価を支え切れないという懸念も台頭し始めている。また、比較的良い結果が居並んだ6月の米経済指標にしても、7月は一旦落ち込む可能性が高いと見られる。さらに、これから本格化する米大手企業の4-6月期決算の結果に対する市場の反応も楽観視ばかりはしていられない。
 つまり、いつまでも「リスク選好のドル売り」などとは言っていられなくなる可能性がある。転じてリスク回避のドル買いに市場が傾いた場合には、同時にリスク回避の円買いも進む可能性があり、さらに米金利も弱含みとなれば、その円買いはドル買いに勝ることとなる可能性もある。また、ユーロは復興基金絡みで一旦「失望」か「材料出尽くし」で売りとなる可能性もあると見ておく必要があろう。

 結果、ユーロはドルや円に対して軟調に転じる可能性もあり、同時にユーロ/円をはじめとするクロス円全般が弱含みとなれば、連れてドル/円も下値模索の展開となる可能性がある。そこで特に注目しておきたいのは、やはり豪ドル/円であり、同時に正の相関が強い日経平均株価の動きである。
 豪ドル/円の週足ロウソクは、先週も一目均衡表(週足)の「雲」上限に上値を押さえられることとなった。一方で、日経平均株価(週足)の方は一旦「雲」上限を上抜ける場面もあったが、結局のところ終値では「雲」上限の下方に沈んだ。ともに、この「雲」上限の抵抗を押し切ることができないと、一旦は弱気に転じる可能性がある。
 なおも、ドル/円は107.00円を軸とした106.70-107.30円のレンジ内での動きが基本になると見られるが、レンジ下限を下抜けた場合には一気に円高方向へと振れる可能性もあると見ておく必要がありそうだ。
(07月20日 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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