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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第725回 焦点の一つは、クロス円の強気展開が続くかどうか…

2020年09月07日

 先週3日、米国株に少々まとまった調整が入った。ことに下げがキツかったのはIT・ハイテク株で、同日のナスダック総合指数は5%近くも下落。かねてより、あまりに早すぎる上昇ピッチや高まる相場の過熱感に対する警戒感が募り続けていただけに、言わば当然の調整と見る向きも少なくない。
 ただ、最近は俗に「ロビンフッダー」などと称せられる若者を中心とした比較的小口の投資家らが強気相場演出の一翼を担うようになっていることから、今回の調整は少々尾を引くとの指摘もないではない。彼らの多くは投資経験が浅いうえ、強烈な上げ相場の渦中で参戦してきた。そのため、場合によってはデリバティブに手を出し、身の丈を超える投資によって比較的大きなダメージを被った向きもあるとされ、大局的には僅かな調整に過ぎなかったとしても今後はかなり委縮してしまう可能性もないではない。

 ただ、翌4日の米株市場では後半にかけて買い戻しの動きも見られていた。比較的大きく下げたIT・ハイテク株については、最近の値上がりがかなりオーバースピード気味だったということ以外に特段の弱気材料も出ていない。よって、目先は「しばし様子見」を基本としながらも、中期的にはなおも強気相場が継続するものと見ておきたい。
 なにしろ、足下で米国の実質金利はマイナス0.9-1.0%あたりにある。先週4日の米10年債利回りは0,72%台まで上昇したが、同時に期待インフレ率の方も1.703%まで上昇している。米実質金利が低水準を維持していることは、米株価にとってプラスである。
 むろん、低金利下にあってはドルの上値も重くなりがちとなるが、ドル/円についてはドル安よりも円安の方が勝るケースというのも少なくはなく、米・日株価が基本強気の基調を続ける限りは、リスクオンの円売りがモノを言うことも多いと見られる。また、日本では自民党次期総裁選の行方について菅氏優勢と見る向きが多いようで、海外勢としても「アベノミクス路線が踏襲されることを前提とすれば、ヘタに円買いにベットすることは避けたい」とのスタンスを維持すると見る。
 7月の日本の貿易収支は4カ月ぶりの黒字となったわけだが、より注目すべきは輸出が前年同月比19.2%減と20カ月連続のマイナスに落ち込んでいたことである。つまり、輸入が22.3%減と大きく落ち込んだことが「黒字」の原因ということになり、それを円買い材料と見做すのは少々無理のある話ではないかと思われる。

 なお、先週4日に発表された8月の米雇用統計の結果については、市場で一旦はドル強気の材料と見做された模様。既知のとおり、失業率が8.4%にまで低下した(前月は10.2%)ことが大きいと見られるが、コロナ禍で受けた雇用のダメージが緩やかに回復へと向かう途上にあって、数値自体が持つ意味はさほど大きくはない。
 ゆえに、先週のユーロ/ドルが一時1.1800ドル割れの水準を試したことについても、もはや戻り一巡から下落基調に転じたなどと判断するのは早計と思われる。とりあえず、ユーロ/ドルは8月初旬から形成されている緩やかな上昇チャネル内での値動きを続けており、先週末にかけての調整もチャネル下限までの動きに留まっていた。
 その意味からすると、先週末にかけての豪ドル/ドルの調整というのも一時的なものに留まる可能性が十分にある。目先、豪ドル/ドルと豪ドル/円については、ともに21日移動平均線(21日線)が下値サポート役として機能し続けるかどうかに注目しておきたい。
 それはユーロ/円についても同様で、とどのつまりクロス円が明らかに弱気転換してこない限りはドル/円の下値も自ずと限られる。今週は106.00円を軸として105.50-106.50円のレンジ内での値動きになるものと想定しておきたい。
 なお、ユーロ/ドルについては、仮に21日線と前記のチャネル下限をクリアに下抜けてきたら1.1700ドル処を目安にショートを振る算段で個人的には臨みたい。
(09月07日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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