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第740回 2021年中のどこかでドル安の基調は転換する!?

2021年01月04日

 昨年の最終営業日(31日)の米株市場では、NYダウ平均があらためて史上最高値を更新する動きとなり、新たに迎える2021年も引き続き株高が続くと期待している向きが少なくないことを再認識させられた。
 いかに足下で新型コロナウイルス感染の急激な拡大が続いていようと、市場はワクチンや追加経済対策などの効果に対する期待を膨らませ続けている。むろん、当面は世界の主要中銀が司る金融政策が押し並べてハト派姿勢を維持し続けると見られることも、世界的な株高の流れを支援する大きな要因となっている。ただ、2018年1-3月に生じた所謂「VIXショック」のときのように、先行きの展望が明るい時ほど株価が突然の大幅調整を余儀なくされやすいという点は要警戒と言える。

 2021年の外国為替相場展望について色々と市場の声を拾ってみるに「年明けから暫くは依然として緩やかにドル安・円高の流れが継続するが、いずれは緩やかなドル高・円安の流れに転じる」と見ている向きが比較的多いように感じられる。
 また「暫くドル安・円高」とは言っても、1ドル=100円を超えてより大きく円高方向に振れたり、そのような円高が定着したりする可能性は低いと見ている向きがどうやら多いようである。それは、やはり2021年後半に向けてワクチン接種の広がりや経済対策の効果によって、米国をはじめとする各国・地域の景気回復が進むと見立てる向きが多いということを考えれば当然であろう。
 ただ、昨年の年の瀬にかけてコロナウイルスの「変異種」が存在確認されるなどしたことで、今しばらくは世界景気が目に見えて回復し始めたと認識できるようになるタイミングがなかなか読めない。もちろん、複数の国や地域で接種が始まっているワクチンの効果についても、まだ確度の高いデータが得られ始めるようになるタイミングは読めない。
 だからこそ、今しばらくは「リスクオフの円買い」が強まる可能性を排除するわけにはいかないということなのだろうが、逆に「リスクオンの円売り」が一気に強まるリスクというものも排除はできず、結果としていたずらに強く円買いを進めることも憚られる。
 今はまだ“正体”がつかみ切れていない「変異種」にも、各種のワクチンは十分に有効であるとの確証が得られる可能性もあれば、想定以上にワクチンの普及が前倒しとなる可能性もある。むろん、これは今のところ誰にもわからない。わからないのに、何らかの予断に基づいて無闇にポジションを一定方向に傾けることには慎重でありたい。

 年明け早々からそう焦らずとも、少し長い目で2021年を展望すれば「多くのFX投資家が大きなチャンスに恵まれる」との期待が大きい。なにしろ、これまでの「コロナ下」から「コロナ後」に時代のフェーズが一変する可能性が高いのである。
 そもそもコロナ下で過去に例を見ないほど膨大な流動性が供給されていることを考えれば、過去のデータや経験則などに基づく投資判断が本当に今後の役に立つのか大いに疑問である。少なくとも間違いないのは、ワクチンによって人々の日常生活が「通常」に戻ることのインパクトは想定されている以上に大きいと考えられることだ。
 当然のことながら、生活が「通常」に戻れば、金融政策の方針も必ずや見直し・変更を余儀なくされることとなろう。例えば米連邦準備理事会(FRB)にしても、一時的な市場の動揺は避けられないことを前もって承知したうえで、政策方針の変更を仄めかさねばならないときというのが過去にもあったし、今後もきっとある。

 年頭にあたり、甚だ大雑把な物言いになってしまったが、そう遠くない将来においてコロナ下で進んだドル安の流れが逆転する可能性は高いと見る。たとえ、ユーロ/ドルが一時的に1.2500ドル処を試す展開になったとしても、それ以上のユーロ高に域内経済が耐えられるのかどうか、そろそろ考え始めねばなるまい。

(01月04日 08:40)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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