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第750回 なおも、ドル優位の展開はしばらく続く

2021年03月22日

 先週は、週末にかけて実に盛り沢山な週となった。兎にも角にも、最終的に米10年債利回りが一時1.75%近くまで上昇したことは事実としてしっかり受け止めねばなるまい。
 少し振り返ると、16-17日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)については「事前に想定していたよりもハト派色が強かった」というのが市場の受け止めであった。当然のことながら、米連邦準備制度(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で早期利上げに否定的な見解を示し、引き続き慎重姿勢を維持することを強調した。
 参加メンバーらの金利予想については、18人のうち11人が2023年末までのゼロ金利継続を予想していたことを市場は尊重している模様である。より細かく見てみると、2023年末までの利上げを予想するメンバーが前回(12月)より2人増えるとともに、2022年末までの利上げを予想するメンバーが今回は4人に増加している(前回は1人)。
 また、今回は「2023年末までに米政策金利が0.75-1.00%あるいは1.00-1.25%の水準まで引き上げられている」と予想するメンバーが5人もいた。つまり、彼らは今後3年足らずの間に3~4回の利上げがあっておかしくないと見ているわけである。
 むろん、ここにきて米国内で新型コロナウイルスに新規感染する人の数が急減していることや、バイデン米大統領が「5月1日までにワクチン接種対象全成人にまで拡大する」と豪語していることを考えれば、米景気の先行きを以前よりも強気に見直しているメンバーが着実に増えているのは当然のことである。
 その意味で、先週末19日の米株取引開始前にFRBが「パンデミック対応で導入していた金融機関向けの補完的レバレッジ比率(SLR)の条件緩和措置を終了する」と発表したのも当然のこと。ただ、突然の発表であったことから、さすがに市場にとってはサプライズとなり、米国債利回りの上昇とNYダウ平均の下落を招くことにはなった。

 今後は、これまで少々“欲しがり過ぎ”の感もあった市場が、足下の現実をあらためて正しく受け止め、健全で前向きな金利上昇に慣れて行くことが必要となろう。これまで先行きに対する期待感から過度に上げ過ぎていた米株価が、このあたりで一旦調整するのも道理と言える。とはいえ、大きな流れとしての米株高基調に変わりはないと見られるわけで、米株価がある程度調整したところで、いわゆる「リスク回避の円買い」が過度に進むとも考えにくい。
 なお、先週末にかけて行われた日銀金融政策決定会合では上場投資信託(ETF)の購入目安が削除されたうえ、買い入れ対象は東証株価指数(TOPIX)連動型のみとされた。これを受けて当然、日経平均株価は大きく下げたがTOPIXの方は確りの展開となった。目先的には、日経平均株価の下落を横目にドル/円も一時的に弱含みの展開となったが、欧米時間入り後は再び値を戻す動きが見られた。なにしろ、米金利が一段と強含みになっているうえ、日銀は基本的には長期的に緩和継続の姿勢なのである。

 さすがに、先週はドル/円の上値も押さえられがちの展開となったが、それは一つにテクニカルな要素も絡んでいると見られる。その実、目下のドル/円は2015年6月高値(=125.85円)と2020年2月高値(=112.22円)を結ぶ長期レジスタンスラインをクリアに上抜けるかどうかの瀬戸際にある。このレジスタンスラインは、2015年の年央から長らく形成されている大型トライアングル(三角保ち合い)の上辺ということにもなるわけで、言うまでもなく極めて重要な節目の一つである。
 それだけに、この節目をクリアに上抜ける展開となれば、もはや昨年6月高値=109.84円や心理的節目の110円処ですら「一つの通過点」ということになり、中期的には昨年3月24日につけたコロナ・ショック後の高値=111.71円が視野に入ってくる可能性もあると見る。折しも、ワクチン展開の遅れがユーロ圏経済とユーロを圧迫する状況にもなっており、今しばらくドル優位の展開が基本的には続くと見る。 
(03月22日 08:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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