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第774回 「恒大」問題一服で円売り戻し & FOMCタカ派寄りでドル買い

2021年09月27日

 先週の外国為替相場は、中国不動産大手「中国恒大集団」の資金繰りに関する問題に翻弄されることとなった。既知のとおり、週の初めは市場の警戒が一気に強まり、米・日をはじめ世界の主要市場の株価が急落すると同時にリスク回避のドル買い&円買いに傾く場面もあったが、週末にかけては大きくアンワインドの動きが生じている。
 結果、21日に一時109.10-20円処まで下押したドル/円も22日以降は3日続伸して週末24日には一時的にも110.80円近くまで値を戻す展開。その過程で21日移動平均線(21日線)、89日移動平均線(89日線)、一目均衡表の日足「雲」を順に上抜け、テクニカル的にも強気に傾きやすい相場つきとなった。

 むろん、恒大集団の問題は「ひとまず一服した」というだけに過ぎず、まだまだ今後も尾を引きそうな気配が濃厚。中国当局が恒大集団に対し、ドル建て社債で目先のデフォルト回避に全力を尽くすよう求めたり、建設中の物件を完成させることや個人投資家が抱える債務の返済に集中的に取り組むよう求めたりしたことは事実ながら、最終的にデフォルトが回避できるかどうかは今のところまったく不明である。
 先週23日が期限だったドル建て債の利払いについては、30日間の猶予期間に移っているが、当の恒大集団は異例の沈黙を続けており、市場は当面、その行方を見守るしかない。過去にはこうした猶予期間に利払いを実施した中国企業もあるが、現段階では中国当局が社債保有者との意思疎通を取るように求めているに留まる。
 「中国の一民間企業の債務問題に過ぎないと言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、10月以降も恒大集団の社債利払い日は到来するうえ、第2、第3の「恒大」が現れる可能性も否定はできず、しばらくはポジション管理を普段以上に厳しくしておくことが求められよう。ただ、中国は10月1日の国慶節から7連休に入るため、その間は「鬼の居ぬ間」ということになり、しばらくはリスク選好ムードが広がる可能性もありそうだ。

 なお、足元でドル/円が強気に転じているのは、先週行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に再注目していることも一因と見られる。既知のとおり、今回のFOMCが市場に発したメッセージは想定よりもややタカ派寄りであったと言える。「やや」を付けるのは、当面の米株価にとって弱気と言えるほどではないためであり、むしろ米国の主要3指数が値を戻している状況自体がドル買い要因の一つにもなっている。
 先週24日のドル/円の高値は8月11日高値=110.80円と顔合わせする格好になっており、同水準をクリアに上抜ければ、次に111円台乗せから7月高値=111.66円を素直に意識した展開となってもおかしくはない。むろん、目先は一旦調整を交える可能性も高いと見られるが、そこは当面の押し目になり得ると見られる。ちなみに、先週のドル/円の週足ロウソクは長めの下ヒゲを伴う長めの陽線を描いた。週末終値ベースでは2カ月ぶりの高水準となっており、テクニカル的にはかなりの強気と言える。

 一方、ユーロ/ドルはかねてから本欄でも指摘してきたとおり、なおも下値リスクへの警戒を怠れない状態が続いている。先週は一時1.1683ドル処まで下押す場面があり、当面は8月20日安値=1.1664ドルを指揮した展開が続くと見られる。
 対ポンドでユーロが弱含みの状態を続けていることも見逃せない。先週23日に行われた英中銀金融政策委員会(MPC)がタカ派色の強い内容であったことに加え、原油価格が強含みで亜推移していることもポンドを支えており、対してユーロはやや劣勢にある。
 ユーロ/ドルの短期的な戻りは1.1750ドル処までに限られており、同水準近辺では戻り売りが有効であると思われる。さしあたっては、1.1720ドル処を軸に1.1690-1.1750ドルのレンジ内での値動きになると見て、ややキメの細かい対応を心掛けたいと考える。

(09月27日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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