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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第782回 ユーロ&円に対するドルの押し目は引き続き「買い」!?

2021年11月22日

 前回更新分の本欄で、ユーロ/ドルについて「1.1400ドル処をも下抜けると、次は1.1300ドル割れあたりの水準が試されることになると見る」と述べた。実際、先週15日に1.1400ドル処を下抜けたユーロ/ドルは17日に一時1.1300ドル割れの水準を試し、その後一旦は1.1370ドル処まで値を戻すも、19日には再び1.1300ドルを割り込む動きとなった。

 このところのユーロ安の最大の要因が、欧州における新型コロナウイルス感染再拡大への懸念の強まりにあることは言を俟たない。なにしろ、ドイツでは18日に入院率が一定水準を超える地域でワクチン未接種の公的生活を制限すると発表され、翌19日にはオーストリア政府が全土でのロックダウンを22日から再導入することを決定したのである。
 とくに19日は、相場の手掛かり材料が比較的乏しかったこともあり、金融市場全体がオーストリアの話題に敏感に反応した。欧州株が総じて軟調に推移したうえ、米国ではNYダウ平均やS&P500種が下落。米10年債利回りが低下し、結果的にナスダック総合指数は強めの動きとなった。
 先週16日に、独政府がロシア産天然ガスを運ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」の認可プロセスを一旦停止すると発表したことも、ユーロにとっては弱気材料の一つと言える。認可の要件が整うまでの時限的措置ではあるが、手続きの再開までには半年ほどかかる可能性があると見る向きもあり、当然、欧州におけるエネルギー価格の急激な上昇は避けられない。
 また、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は19日に講演し、インフレ率はいずれ鈍化すると述べ、ECBは政策を引き締めるべきではないと主張した。総裁は「インフレ圧力はいずれ後退する見込みであり、そのようなときに政策を引き締めるのは理にかなっていない」とも指摘しており、それは「おっしゃることご尤も」である。
 こうしたことから判断して、今しばらくユーロの上値は重い状況が続くと見られ、目先は一旦1.1200ドル割れの水準を試してもおかしくはないと思われる。ただ、先々週と先週の下げがかなりきつかったこともあり、1.1200ドル前後の水準では一旦下げ渋る可能性もないではないと見られる。
 振り返ると、ユーロ/ドルは今年1月高値と5月高値によって「ダブルトップ」の転換持ち合いパターンを形成し、そのネックライン水準である3月安値=1.1740ドル処を9月下旬に下抜けている。このネックラインと5月高値の間の「値幅」をネックラインから下方にとった水準を計算すると1.1140ドル処となり、これは昨年3月に生じたコロナ・ショック後のリバウンド局面で幾度か上値抵抗として意識された水準でもある。
 つまり、なおもユーロ/ドルは一定の下げ余地を残しているが、1.1200ドル割れから更に下を売り込むことには少々慎重さが求められるように思われる。

 一方、ドル/円は先週16日に10月高値=114.70を上抜ける動きとなり、翌17日には一時114.97円まで上値を伸ばす場面があった。周知のとおり、16日に発表された10月の米小売売上高が市場予想を上回る強い結果を示したことと、欧州における感染再拡大懸念がドル買いを後押しした。
 19日には、市場全体のリスク回避ムードが強まったことで円が買い戻され、一時は113.60円処まで値を下げる場面もあったが、後に米連邦準備理事会(FRB)の理事らがタカ派寄りのコメントを発したことで、最終的には114円台を回復している。
 なお、次期FRB議長についてパウエル氏続投かブレイナード氏昇格かの判断は、執筆時点でいまだ示されていない。どちらに決定したところで市場の反応は限られると見られるが、バイデン米大統領による決定結果の発表と市場の反応を見定めてから行動を起こすのも一手ではある。どのみち、ドル/円が押し目を形成する局面では積極的に買い拾って行きたいと個人的には考える。

(11月22日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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