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第789回 今回のFOMCは市場の想定より「ハト派な印象」に映る!?

2022年01月24日

 先週19日の欧州時間入りの時間帯にかけて、米10年債利回りは一時1.9%台まで大きく上昇する場面があった。しかし、その後は一転して低下傾向が強まり、週末21日のNY時間には一時1.73%台を垣間見る動きとなっている。
 米国債利回りの上昇に歯止めがかかったのは、主に米国株の軟調な展開が続いていることに因る。なにしろ、21日の終わりまでにNYダウ平均は6営業日続落し、1月5日につけた史上最高値から2700ドル超もの下げとなった。ナスダック総合指数の下げはさらに大きく、昨年11月につけた史上最高値からの下落率は15%程度にも達している。
 米国株安に歯止めがかからない状況下、米国債利回りの上昇一服と市場全体に漂うリスク回避ムードの強まりによって、外国為替市場では先週19日以降、全体的な円高傾向が一気に強まった。ことに、週末21日は豪ドル/円やポンド/円の下げが目立ち、いずれも長めの陰線を描いている。ユーロ/ドルの反発が限られたものに留まり、ポンド/ドルがやや軟調に推移していることを考えれば、やはり目下の主役は「リスク回避の円高」ということになろう。
 ドル/円については、前回更新分の本欄で「当座の上値目安を4日高値からの下げの半値戻し=114.92円」と予想し、実際、先週18日には一時115円台に乗せる動きも見られていた。ただ、3連休明けとなった同日の米国株市場でNYダウ平均が前営業日終値比で543ドルもの値下がりとなったことが、その後の円高のきっかけとなった。

 米国株安になかなか歯止めがかからないのは、言うまでもなく今週25-26日に米公開市場委員会(FOMC)が控えていることが大きいと言える。
 ブルームバーグがエコノミスト45人を対象に実施した調査によると、今回のFOMCにおいて「3月からの利上げ実施と、その後の早い時期にバランスシート圧縮に着手するとのシグナルを発する」と見る向きが多かったようだ。
 その大多数がFF金利誘導目標レンジの0.25ポイント引き上げを見込んでいるが、一部に一回で0.5ポイントの引き上げを見込む向きもいた。
 ちなみに、22年の利上げ回数について「年3回」と見通す向きと「年4回」と見通す向きは半々に分かれ、今回のFOMC声明の文言については「3月の会合で利上げを決定する旨の明確なシグナルを発する」と見る向きと「利上げが近く適切になる可能性があると示唆しつつも正確な時期には触れない」と見通す向きに分かれた。
 重要なのは、この調査が「1月14-19日に実施された」ということである。その後に米株価の下げは一段と加速した。果たして、FOMC開催までの間にどれだけ米国株は下落することとなるのか。米国株安が今以上に進むこととなれば、さすがにFOMCメンバーらもその事実を無視するわけには行かなくなるだろう。
 足元で進む株安が米景気の先行きに暗い影を落とすこととなれば、FOMCのブラックアウト期間入り前にヤケにタカ派な発言を繰り返していた関係者の見立ても大きく変化するに違いない。そもそも、自身が過度にタカ派な発言をするほど米株安に伴う景気回復ペースの鈍化が進み、結局は自身の見立てが外れる結果になるとは考えないのか。
 とまれ、今回のFOMCについては「これまでの場の想定よりもハト派的な印象」となる可能性が高いと個人的には見る。少なくとも「3月に0.5ポイント」を示唆するとは考えにくく、概ね想定通りであれば「事実で(米国株)買い(戻し)」となる可能性も大いにあろう。結果、市場のリスク回避ムードが多少なりとも後退するならば、FOMCに相前後して目下の「円高」の流れも一服する可能性が高いと見る。
 当座のドル/円の下値は一目均衡表の日足「雲」下限が一つの目安になると見られ、今週は週末にかけてリバウンドが生じる可能性があると心積もりして行きたい。むろん、先週末にかけての下げがきつかった豪ドル/円やポンド/円についても同様と考える。

(01月24日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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