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第537回 米株下落は“そろそろ終焉”…? ― ドル円は“もう少し時間がかかりそう”だが…!?

2018年11月16日

 今週は「上値をこなし切れず⇒小休止」を想定していたものの、“場合によっては”との枕をつけた「リスク回避姿勢⇒一旦反落」へと傾斜しました。週初は“イタリア財政懸念”、週央からは“英Brexit懸念”を巡る不透明感が台頭し、ドル円は“上値の重い”展開を強いられました。12日には“114.202円”まで上値を伸ばしたものの、その後は“右肩下がり”の軌跡を描きました。

 もっとも“想定レンジ下限(113.50円)”こそ割り込んだものの、節目の“113円ライン”を割り込むには至っておりません。昨日は“英閣議でのBrexit草案了承”に抗議したラーブBrexit担当相をはじめとする複数の英閣僚辞任に伴う“リスク回避⇒円買い”と、いわゆるアップル・ショックに端を発する“米株安⇒ドル売り”が重なったにもかかわらず、割り込むことはありませんでした。“下値の堅さ”も相変わらずであり、方向感の定まらない“揺れ動き”が続いています。

 “英Brexit懸念”を背景にした“思惑の揺れ動き”には引き続き注意が必要と見られますが、ただ昨日は「対ドルで今年最大」「対円で今年2番目」の下落幅をポンドが記録したものの、英株式/英国債は買われています(英長期金利は低下)…。「為替が大げさ」なのか?、それとも「株式/債券が軽視」したのか?わかりませんが、現時点で「為替が前のめり」的に動意づいたのは事実です。“前向き報道⇒ポンド買い/混迷報道⇒ポンド売り”という一喜一憂の展開が想定(懸念?)されますが、ここからさらに“リスク回避姿勢が進行する”といった展開は想定しづらいところです。一筋縄でいく問題ではありませんが、過度に悲観する必要はないと考えます。

 …となると、次なるテーマはやはり“米中貿易戦争懸念”と見らますが、ただ米中首脳会談が行われるのは月末です。スケジュール的な観点で考えると「目先、結論は出ず」「思惑傾斜でも間延びする」と見るのが自然です。反中国の急先鋒・ペンス副大統領がAPECで行う演説(17日)で、どこまで催促相場に傾斜できるか…?

 12日にピークをつけた後、ジリジリと値を落とすドル円ですが、テクニカル的には「日足・一目均衡表先行スパンの雲に沿った動き」を続けています。このため依然として「上昇トレンドを堅持」している格好であり、「ピークアウト」の様相は見られておりません。下落傾向が続く米株式にしても、15日を越したことで「年末関連のファンド手じまい(決済売り・45日ルールを踏まえた請求期限は11/15)は減退する」と考えるのが自然であり、そうなると「投資家のリスク許容度も改善しやすい」と見られます。

 基本は「米中首脳会談を見極めてから…」でしょうから、まだ来週も“動きづらい(方向感は定まらず)”と見ますが、リスク回避姿勢がてんこ盛りという現在の流れは“そろそろ終焉”と考えてもいいかもしれません。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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