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第553回 「レンジが切り上がった」との思惑が存在する限り…、そして「リスク回避」へ傾斜しない限り…!?

2019年03月15日

 「まさかの+2.0万人(2017年9月以来最低)」となった米雇用統計・非農業部門雇用者数では、「ドル売り加速」が想起されたのは事実です。しかし失業率(4.0%⇒3.8%)/平均時給(2009年来最高の+3.4%)は改善し、さらに前日のECB理事会(わずか3か月で金融政策再修正と、こちらもまさかのサプライズ)を背景にした“ユーロ売り→ドル買い”もあって、大きく売り込まれることはありませんでした。下値は“110.787円”で限定され、その後は英Brexit(EU離脱)を巡る思惑にて「主役がポンド」へと移行する中、脇に隠れたドル円は“111円前半での膠着”に終始増しました。この流れが変わったのが14日。3連続の英下院採決・最終日を機に「(Brexit関連は)一旦材料出尽くし」と捉えられたことで、膠着していた111円前半から“静かに上放れ”ました。

 来週の注目は“金利先高観剥落&さらなるハト派も…”との懸念が燻る「米FOMC(19-20日)」と、“18日-20日に再実施”が計画される「英Brexit修正協定案の3度目の採決(昨日の延期案・可決には「EU首脳会議前(3/21-22)のBrexit協定案可決」が前提としてついているため、現時点では「6月末までの延期が決定したわけではない」ということ)」と見られるだけに、ファンダメンタルズ的には“上値追いは微妙”といったところがあります。ただ「200日移動平均線(本日は111.430円)を再突破」した格好になりますので、テクニカル的には“もう一段の上値追い”が期待される局面でもあります。

 この2つ、“ファンダメンタルズ/テクニカル”の他に、大きく異なる点があります。それは前者が“さらなる上値追いが加速 or 失望”の選択になりやすいのに対して、後者は“加速 or 元のレンジに逆戻り”の選択となる可能性が高いという点です。つまり後者を基準として考えれば、「レンジが切り上がった(111円前半⇒111円後半)」が思惑として存在している限り、“もう一段の上値追い”が期待出来るということになります。そして仮に反落したとしても、“下値は限定的”と考えることは十分可能ということでもあります。

 不透明感漂う現状ですので、“一気の上値追いは期待薄”“もうしばらくは膠着→次なる方向感を探る”といった展開を想定するのが自然かもしれませんが、期待を持って“ことの成り行き”を見極めたいところです。全ての材料をなぎ倒す「リスク回避」へと傾斜しない限り、「戻り売りではなく、押し目買い」を基本としながら…。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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