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第488回 “115円トライ失敗⇒急反落”のドル円だが、引き続き“下値は限定的”…!?

2017年02月17日

 「日米首脳会談」では懸念された“為替/金融政策”が主な議題に上がることはなく、“政治的なドル円急落リスク”は大きく後退しました。また「イエレンFRB議長の議会証言」は思っていた以上に“タカ派寄り”であり、“早期利上げ期待”がマーケットを席巻しました。ドル円は急反発を見せ、“115円まであと一歩”というところまで駆け上がりました。しかしその“あと一歩”が届かず、その後は“利益確定売り”が勝りました。

 115円に展開していた“50日移動平均線”に跳ね返されたという面もありますが、“大量のオプション”が設定されていたことが大きく影響した模様です。これが“短期筋のドル買い仕掛け”を食い止め、逆に“投げさせた”ことで、大きく反落しました。

 113円付近への急落は“イエレン議会証言後の上昇分”を全て吐き出す格好になりますので、テクニカル的に“さらなる下値追い”を警戒せざるを得ないところです。また米金利先物から見た“米3月利上げの織り込み度”は、イエレン証言後に一時30%超へと上昇したものの、すぐさま17%台へと押し戻されているなど、それほど盛り上がっているわけでもありません。“トランプ政権の信認低下”まで考えれば、ファンダメンタルズ的にも“さらなる下値追い”を警戒せざるを得ないことになります。

 それでも直近の米経済指標は、“強烈”の一語につきます。米消費者物価指数は前月比が3年11か月ぶり(+0.6%)、前年同月比は約5年ぶり(+2.5%)と高水準を示し、米小売売上高も同様(前月比+0.4%、前年同月比+5.6%)のインパクトを示しました。NY連銀製造業景気指数(事前予想:7.0、結果:18.7)/フィラデルフィア連銀製造業景気指数(事前予想:18.0、結果:43.3)は共に事前予想との乖離が大きく、雇用環境はすでに完全雇用に近い…。まさに“米経済の強さ”は疑いようがなく、「3月利上げがあってもおかしくない(というより、利上げするべき)」との見方が浮上するのもうなずけるところです。

 「2-3週間以内に驚くべき税制改革案を発表」に対する不透明感が盛り上がりを欠く要因といえるだけに、“ドルを積極的に買い上がる動き”には目先、繋がらないかもしれません。また“ドル買いに一服感”も広がっていますので、前記した下押し警戒感”に押される場面も場合によっては見られるかもしれません。

 それでもグローバル的なマーケット環境は“リスクオフ(リスク回避)”ではなく“リスクオン(リスク選好)”に傾斜しつつあります。あくまでも現在の動きは「利上げ観測を急激に織り込みにかかった反動(ポジション調整)」であり、「ドル円の下値は限定的」と考えたいところです。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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