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第490回 “3月利上げ観測”で様相一変 - 再び分水嶺を巡る攻防へ…

2017年03月03日

 「もう少し時間がかかるか…?」とも考えた先週末からは一変、今週のドル円は急反発を演じました。“トランプ大統領の議会演説”もありましたが、週明け以降のテーマは“米3月利上げ観測の再燃”です。

 「利上げの根拠は増している(ダドリーNY連銀総裁)」
 「3月利上げを真剣に検討(ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)」

 これらの発言がマーケットに火をつけ、次の発言でダメを押した格好といえます。

 「早期利上げの準備は整った(ブレイナードFRB理事)」
 「3月利上げに十分な根拠は揃った(パウエルFRB理事)」

 特にブレイナード理事は“FRBで最もハト派”と見られる人物であり、マーケットは“3月利上げの可能性”を急速に織り込みにかかりました。先週末には“20%”にも満たなかったシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)算出の“3月利上げ織り込み度度合い(Fedウォッチ)”は、足元で“利上げ可能水域(70%超)”に達しています。またOIS(Overnight Index Swap)から算出した数値では、さらに上を行く“90%超”に達しています。米10円債利回りの上昇につられる形で、112円を割り込んでいたドル円は一気に114円半ばへと押し戻されました。

 こうした中、本日は「フィッシャーFRB副議長(26:30~)/イエレンFRB議長(27:00~)講演」が予定されています。一部では“知ったら終い(しまい)”が懸念されていますが、利上げの有無を判断するのは“まだ先(次回FOMC:14-15日)”です。現時点では“時期尚早”といわざるを得ません。またせっかく整った“利上げが可能な環境”をわざわざ両氏が壊しにかかるというのも、やはり想定しづらいところです。少なくとも“次回FOMCまで思惑は続きやすい”と見るのが、やはり自然ということになります。

 先月に上値を押さえ込んだ“50日移動平均線”は抜けた格好ですが、“日足・一目均衡表先行スパン上限(本日は114.814円)”“2/15高値(114.944円)”“週足・一目均衡表転換線(115.090円)”は依然として上値を押さえ込んでいます。また心理的な節目ということで“オプション絡みのドル売り”も待ち構えており、突破するのは容易ではありません。先走り過ぎると“上値の重さ⇒利益確定売り先行⇒急反落”が頭をもたげてもおかしくないという懸念も抱えることになりますが、為替の方向性に最も影響を与えるのはやはり“金利動向”です。その思惑が“次回FOMCまで続きやすい”となると、“上値試し機運は再び盛り上がる”と考えるのが自然です。

 本日のイエレン/フィッシャー講演で“115円乗せトライ”を仕掛けてくるかは微妙ですが、「早晩トライ、そして突破」と見たいところです。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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