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第493回 楽観は禁物も、「底入れが意識されやすい」局面…!?

2017年03月31日

 FOMC(米連邦公開市場委員会)における「噂で買って、事実で売る(Buy the rumor, sell the fact)」は、オバマケア代替法案における「まさかの採決見送り⇒事実上の撤回」でさらに加速しました。「トランプ政権に打撃」という“負の側面”が囃され、ドル円は110.104円と年初来安値を更新しています。一方で110円ライン手前では底堅く推移し、その後は112円水準への反発を見せています。「税制改革・財政改革に注力せざるを得ない」という“正の側面”が徐々にクローズアップされたこともありますが、前回の当欄で記した“金利低下には自ずと限界あり”が後押ししたと見られるところです。

 ドル円を押し下げる主な要因となったのは、やはり「米10年債利回り(長期金利)の低下」です。しかしこれが反発してきたことで、ドル円には反発(買い戻し)圧力がかかっています。相次ぐ“好内容の米経済指標”に加え、“米金利先高観”が再燃したことも大きかったと見られます。

 「年内あと2回の利上げが適切(フィッシャーFRB副議長)」
 「17年は4回利上げが適切(ローゼングレン・ボストン連銀総裁)」
 「場合によっては、年4回利上げすべき(ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)」

 いずれも“米金利先高観”を後押しする要因であり、2.34%台に低下していた米10年債利回りは2.42%台へと急回復しています。 「底入れが意識されやすい」と考えるのが自然です。

 来週は米雇用統計(7日)が予定されており、その前哨戦も数多く発表されます。“トランプ政権の行方”に不透明感が漂っている以上、“米金利先高観”を囃すのは早計かもしれませんが、イエレンFRB議長が「非農業部門雇用者数は月10万人程度の増加で十分」との見解を示す中、事前予想は「非農業部門雇用者数:+17.2万人」「失業率:4.7%の横ばい」が見込まれています。追加利上げへのハードルは決して高くはなく、それでいて金利先物から見た米利上げの可能性を探る指標の一つ(Fed Watch)では、6月利上げの可能性はまだ“50%強”しかありません。

“結果次第”の面は否めず、“きな臭い北朝鮮情勢”や“年度替わりに伴うフロー(流れ)の変化”への懸念もありますので、“楽観は禁物”です。それでも“悪材料は減少し、好材料は着実に増加中…”。“もう一段の巻き戻し(ドル買い)”を期待したいところです。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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