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第526回 “上抜け失敗⇒下値模索”ではなく、 “上抜け失敗⇒元の膠着状態”…!?

2018年08月31日

 注目のジャクソンホール・パウエルFRB議長講演(24日)は、『可もなく、不可もなく』という内容でした。

 「インフレが2%超に加速する明確な兆候は見られない(ハト派)」と、「力強い成長が続けば漸進的利上げ適切に」「力強い経済が続くと見る十分な根拠がある(共にタカ派)」が混在し、方向感が定まることはありませんでした。ファーストアクションこそ前者(ドル売り)に傾斜したマーケットでしたが、111円割れではすぐさま買い戻されていきました。

 一方で『ドル売りを上回る(リスク選好の)円売り』への期待も、そう長くは続きませんでした。「(明確な)日経平均2万3000円突破」は5度の挑戦を経ても達成されず、さらに「新興国通貨懸念」「米中貿易戦争懸念」も加わったからです。“日足・一目均衡表先行スパンの雲の上抜け”も束の間、翌30日には“リスク回避⇒円全面高”にて再び111円割れへ押し戻されるなど、『テクニカル的な後押しも期待薄』といわざるを得ないからです。

 “わずか1日しか持たなかった”という点を重視すれば、“上抜け失敗⇒下値模索先行”と考えるのが、もしかしたら目先は自然なのかもしれません。『新興国通貨安懸念』は依然として根強く、『米中貿易戦争懸念』が解決の糸口さえ見えない状況では、それも致し方ないともいえるからです。

 ただし、リスク選好時には『ドル売りを上回る円売り』を期待したように、リスク回避時には『ドル買いを上回る円買い』を期待しなければ“大きく売り込まれるは期待薄”と考えるのが、これまた自然といえます。なぜなら現在は「リスク選好⇔リスク回避」がテーマとなりやすく、ドルと円は同一方向(ドル買い円買いorドル売り/円売り)に動くことが常だからです。…となると“上抜け失敗⇒下値模索先行”ではなく、目先は“上抜け失敗⇒元の膠着⇒次なる材料待ち”と見るのが自然…?

 来週6日には「対中報復関税第3弾が発動」といったニュースが聞こえてくる反面、週末には米雇用統計の発表も控え、前哨戦も盛りだくさんです。長引けば長引くほど“動き出すとダイナミック”というのが常だけに、決して悪い話という訳ではありませんが、もうしばらくは“膠着(揺れ動き)が続く”と見ておくべきかもしれません。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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