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第533回 “リスク回避姿勢”燻るも、目先下値は“確認済”…!?

2018年10月19日

 急落を演じた動きが止まった(?)のは、やはり“15日”でした。「ファンドの45日ルール・決済期限」を越した後は、緩やかに“往き過ぎ”を調整する動き(戻り)を試しています。
もっとも113円回復には現時点で至っておらず、高値は112.730円(18日)に留まっています。

 もちろん「底を打ったか?」に関しては、まだ定かではありません。しかし筆者は、やはり「(今回の急落は)あくまでポジション調整の一環」と考えます。理由は「基本的にドルは堅調であること」、そして「強烈な“リスク回避⇒円買い”は想定しづらいこと」が上げられます。

 例えば昨日も“リスク回避姿勢”にて、マーケットは上値の重い展開を強いられました。「イタリア(財政懸念)」「英国(Brexit懸念)」「中国(米中貿易戦争懸念)」、さらには「サウジアラビア(地政学的リスク)」まで取り上げられ、300ドルを超すNYダウ下落に引っ張られる形でドル円は一時112円割れへと値を落としています。しかしリスク回避要因としては“少々使い古された”印象があるものが多いのが実状です。

 「イタリア」は今に始まったことではなく、「英国」は“12月先送り”が事実上の既定路線です。「中国」にしても“為替操作国認定が見送られた”ばかりですし、本日発表された中国GDPを見ても“09年1-3月期来の低い伸び(+6.5%)”でこそあったものの、“(米中貿易戦争の)直接的な影響”は依然として表面化しませんでした。「サウジアラビア」は“原油高騰→インフレ懸念増大→米金利急上昇→株価急落(リスク回避)→円買い”を誘いやすい新たな材料なだけに注意が必要ですが、しかし欧米(特に米国)の中東に対する眼は主に「イラン(経済制裁)」に向いています。「サウジアラビアと揉め続けるのは得策ではない」と見るのが自然であり、サウジアラビア絡みの“地政学的リスク”がマーケットを席巻するとはやはり考えづらいところです。つまり「日米金利格差拡大観測」と「欧州の政局混迷」が“ドルをサポート”しやすい反面、“リスク回避→円買いは期待しづらい”と見ることは、十分可能ということになります。

 “15日安値(111.623円)”は“8/21~10/4の61.8%押し(111.597円)”と合致しており、リスク回避姿勢で反落した“昨日安値(18日:111.952円)”は“50日移動平均線(本日は111.960円)”と合致するという、テクニカル的なサポートもあります。「米中間選挙(来月6日)」に向けて“リスク選好”に傾斜しづらいのは事実ですが、だからといって“リスク回避”が進行するというのも…?「米金利動向/株価動向」には注意を払いつつも、“(目先下値は)確認済”、少なくとも“大きくは崩れない(下値は堅い)”と見て、“跳ね上がるタイミング”を測りたいところです。



※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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