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第534回 リスク回避は“円買い”と共に“ドル買い”要因 - “下方向一辺倒”のイメージには違和感が…?

2018年10月26日

 またしても“リスク回避姿勢”がマーケットを揺さぶっています。「イタリア(財政懸念)」「英国(Brexit懸念)」「中国(米中貿易戦争懸念)」、さらには「サウジアラビア(地政学的リスク)」も加わり、派生した(?)「世界的な株安」が重石となっているからです。ドル円は再び112円ラインを割り込む等、マーケットは“重い雰囲気”に包まれています。

一方で“直近安値(15日:111.623円)”には現時点で至っておらず、“下値もしっかり”は続いています。これは金利格差面では“ドルの優位性”が失われていないのに対して、リスク回避時には“円買い”と併せて“ドル買い”も促されているからです。「株式が“大荒れ”の割に、為替は““静か(落ち着いている)”」という印象があるのは、このためです。

もちろんどれも“すぐに払拭する”といった類の懸念ではないだけに、楽観は禁物です。特に本日のリスク回避姿勢は「(事前予想を下回る)アマゾン/アルファベット(グーグルの持ち株会社)の決算」であり、「米経済は堅調に“霞がかかってきた”」との思惑が台頭しているのも事実です。しかし“投資家心理を冷やした”ものの、まだ“崩れた”というわけではありません。…となると、“全てをなぎ倒す破壊力”を秘めたリスク回避時の動きとしては、やはり“上々”と考えるのが自然…。

現在は“リスク回避”がテーマとなっていますが、間もなく「米中間選挙(来月6日)」に移ると見られます。この不透明感を背景にリスク回避ムードがさらに強まる」と捉える向きもありますが、(選挙)前のセオリーは「懸念/期待が交錯(不安定に揺れ動く)」するものの、「一方向へと思惑は傾斜しない(トレンド・レス)」が基本です。ある程度のポジション調整が進行した後は、「動きづらい」と見るのが妥当…。それでいて「下方向一辺倒」という現在のイメージには、少々違和感が…?

テクニカルを見ると、前記“直近安値(15日:111.623円)”には、“8/21~10/4の61.8%押し(111.597円)”と共に“日足・一目均衡表先行スパン上限(本日は111.646円)”も重なっています。明確に割り込むと“同下限(同111.471円)”を経て“3/23~10/4の38.2%押し(110.760円)”辺りまで視野入りするのでしょうが、111円半ば~前半は“100日移動平均線(同111.566円)/100週移動平均線(同111.331円)/月足・一目均衡表先行スパン上限(同111.329円)”等も展開するテクニカル的な要所です。割り込むのは容易ではなく、普通に考えると「もう一段のネガティブ要因が必要」…?

…だからといって「すぐに反発」というわけにはいかないでしょうが、やはり現時点の材料では「売られ過ぎ」「下値を固めている段階」と見ながら、次なる材料に備えたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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