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第539回 “逆イールド”が独り歩き ― センチメント悪化も、現状は “往き過ぎ”局面…!?

2018年12月07日

 「対中関税引き上げを90日間延期」「問題解決に向けて対話継続」となったことで、“米中貿易戦争懸念”はひとまず一服するかに思われました。しかし「中国通信大手・ファーウェイのCFO逮捕」との報が懸念を再燃させ、“株安の連鎖⇒リスク回避”をもたらしました。これに“米利上げペース鈍化(早期終了?)懸念”が重なったことで、6日NYタイム中盤には一時“112.235円”へと売り込まれる場面が見られました。“日足・一目均衡表先行スパンの雲(昨日は112.672-286円)”に潜り込んだことで「ヒヤッと」したのは事実ですが、NYダウが急速に下落幅を縮小(△784ドル⇒△79ドル:実に705ドル幅)したこともあり、なんとか“100日移動平均線(昨日は112.247円)”では下げ止まりました。

 センチメント悪化の背景には、前記“米中貿易摩擦懸念”“米利上げペース鈍化懸念”の他にも、そこから派生する“米景気後退(リセッション)への思惑”、さらには“フランス反政府デモ/Brexit問題”等も存在しており、もうしばらく継続する可能性が想定されています。このため目先は“ドル円の上値は押さえられる”という可能性も高いと考えるのが自然といえます。しかしながらそれでも、現在のリスク回避姿勢は“少々往き過ぎ(騒ぎ過ぎ)”の印象も否めないところです。

 まず“米景気後退(リセッション)への思惑”ですが、これは「2-5年債利回りで逆イールド発生」に起因し、「2-10年債利回りの逆イールドにつながる」との思惑につながっています。しかし前者は“利上げペース鈍化⇒ポジションの巻き戻し”が主な要因であり、一方で後者の指標となる“経済状況”とは材料が大きく異なります。問題となる2-10年債利回りでの逆イールドは「そう簡単ではない」と考えるのが、やはり自然ということになります。

 さらに仮に逆転したとしても、過去の例を見れば“(リセッションに陥るのは)逆転してからさらに1年ほどのタイムラグ”が生じるものであり、しかもその直前には“米株式がスーパーブル(ものすごく強い)”となるのが常でもあります。つまり景気が拡大し続けることはあり得ませんので「どこかで景気後退期はくる」とはいえ、それを懸念するのは「現在ではない」と見るのが自然ということになります。

 “米利上げペース鈍化懸念”にしても、“停止⇒様子見(次なる情勢を探る)”となっている現在の状況は、過去の例を見れば「ドル売りにはつながっていない」ということが窺えます。実際にドル売り基調となるのは「利下げの地ならしを始めて以降」であり、こちらも懸念を囃すのは「現在ではない」といえます。そうした段階での“停止⇒様子見”は「米経済の下支え」につながるのが常です。つまり現在の状況は、前記米景気後退を“さらに後ズレ”させる要因でもあります。

 確かにリスク回避姿勢は「全ての材料をなぎ倒す破壊力」を秘めていますので、それが“強烈な円買い⇒ドル円下落”へとつながる可能性はゼロではありません。しかしリスク回避は“ドル買い”を促す要因でもあり、そしてリスク回避を促す要因の多くは前記したように「根拠のないもの」ばかりです。いくら「マーケットは思惑で動くもの」とはいえ、「イメージは下方向一辺倒」にはやはり違和感を覚えざるを得ません。

 「往き過ぎには修正が入る」は、世の常でもあります。“株安の連鎖”には気を付けながらも、「過度に悲観する必要なし」と見ながら、年末に向けて取り組みたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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