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第548回 「イメージは下方向」の分、「リスクは上方向」…!?

2019年02月08日

 “まさかのハト派寄り”となったFOMCをキッカケに、「下方ブレイク」したドル円。しかし懸念された「さらなる下値追い」には至らず、今週は「109円台での膠着」へと再び回帰した印象があります。

 欧・英景気失速懸念等を背景にした「世界経済への不透明感」が、重く圧し掛かっているのは事実です。これに「米中通商協議の不透明感(交渉期限内に首脳会談は行われない発言)」「英Brexit懸念(早ければ来週14日に、再び英下院で審議・採決)」等も重なり、上値を押さえ込んでいる印象すらあります。「イメージは下方向」へと再傾斜しているのは、疑いようのないところです。

 一方で「金利差からくるドル買い」は、依然として健在です。これに「(前記理由から派生した)欧州通貨売り⇒ドル買い」も重なっており、「相対的にドルが買われやすい地合い」は続いています。こうして「(イメージの割に)下値が堅い」のも事実であり、現在は「動くに動けない(上値が重く、しかし下値も堅い)」を地で行く様相といえます。

 ただし膠着というものは「いつまでも続く」といった類のものではなく、押さえ込まれた分だけ「エネルギーが溜まっている」と考えるのが自然です。そしてそれが吐き出された際には、「次なる方向性の原動力」となるのが常でもあります。つまりそれが「いつになるか?」はまだわからないものの、現在は「(その動意を)待っている」状況ともいえます。

 その要因として期待(想定)されているのが、前記した「米中通商協議の不透明感」「英Brexit懸念」です。これが「イメージは下方向」を支える大きな要因となっているわけですが、しかしながらどちらも「使い古された(ある程度織り込んだ)」印象があるのは否めません。このため「大きな動意につながるか?」に関しては、甚だ疑問といわざるを得ません。

 一方でその影響もあり、最も警戒すべき「にわか上値期待」が台頭しづらくなっているのも、事実といえます。それでいて前記要因は「円買いと共にドル買いをも促す」要因となり得るものであり、そして「相対的にドルが買われやすい地合い」は続いています。「押し戻されやすい」とは見られますが、大きなリスクとなり得るのは「逆に上方向」…?

 ある程度の「日柄」はこなしたと見られるだけに、そろそろ「どちらかに動きそう」な気配が漂いつつあります。そして来週には「中国勢も回帰」してきますので、「流動性には厚み」が生まれます。決め打ちは現金ではありますが、「戻り売りではなく、押し目買い」と見て、「その動意」に備えたいところです。慎重に、そしてきちんと「リスク管理」を行いながら…。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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