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今週の為替相場、武市はこう見る

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今週の為替相場、武市はこう見る [2019年7月8日(月)]

2019年07月08日

 注目の米雇用統計は、「非農業部門雇用者数(+22.4万人)」が事前予想を大きく上回り、“過度な大幅利下げ観測”は後退しました。
 一方で「失業率(3.7%)」「平均時給 (前年比+3.1%)」は予想を下回っており、“利下げ観測そのもの”が後退したわけではありません。
 このため“金利上昇⇒ドル買い戻し”が促されているものの、“株高の調整”は軽微に留まっており、最も警戒すべき“リスク回避⇒円買い”は台頭しておりません。
 こうしてドル円は“108.636円”へと値を伸ばし、そのまま“108円台”で先週の取引を終えています。

 米雇用統計で最も警戒されたのは、「極端にいい」「極端に悪い」の2パターンでした。
 前者は“米利下げ観測⇒ドル売り”を後退させる反面、最も警戒すべき“リスク回避⇒円買い”を招きやすいと見られたからです。
 一方で後者は“米利下げ観測増大⇒株高”は期待されるものの、「2回連続の大幅悪化」ともなれば“米景気悪化懸念⇒株安”となり、それが“リスク回避⇒円買い”に波及してもおかしくないリスクを孕んでいたからです。
 しかしながら「少しだけいい」という結果は、“過度な利下げ観測後退⇒ドル買い戻し”が促されている反面、“株高の調整”は限定されているため、“リスク選好⇒円売り”は崩れていないと見られるからです。

 こうして先週の当欄で記した“マーケットの温度差”は、先週の米雇用統計にて明らかにされました。
 金利先物では「米7月利下げ観測」そのものは“変わっていない(100%)”ものの、「50bp利下げ」は“大きく低下(28.7%⇒4.9%)”しています。
 これは今後も“上値が重い”は継続すると見られる反面、“過度な利下げ観測は再燃しづらい”と見ることが可能です。
 つまりパウエルFRB議長が示す「予防的利下げ」、最もハト派と見られるブラード・セントルイス連銀総裁が示す「50bp利下げは往き過ぎ」を無視した動きの再燃には、それ相応の“ネガティブ要因”が必要ということになります。

 今週は「経済指標」としては大したものは予定されていないものの、「クオールズFRB副議長講演(9日)」「パウエルFRB議長の議会証言(10-11日)」「ウィリアムズNY連銀総裁講演(11日)」等、米要人発言が目白押しです。
 これらは“今後の米金利見通し”に影響を及ぼし得ると見られるものの、「利下げの論拠」が不透明(少なくとも強まっていない…?)な中、“過度な利下げ観測”を煽るといった天界は想定しづらいところです。

 あくまでも先週末の動きは“巻き戻しの一環(ポジション調整)”ですので、“底打ち⇒さらなる反発”を期待するのは少々早計と見られます。
 しかし「一筋縄では往かない」とは見るものの、それが“ドル売り”の根拠にはならない…?
 「米金利先安観」は容易に後退しそうにありませんが、「利下げの論拠」が高まらない中で“上値の重さ”ばかり囃していると、また“大きなしっぺ返し(もう一段の巻き戻し)”を喰らう可能性も…?
 “安直な上値追い”は手控える必要がありますが、“安易な戻り売り”にはさらに警戒をしておく必要がありそうです。


※月曜日が日本の祝日にあたる場合は翌営業日の更新となります。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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