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今週の為替相場、武市はこう見る

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今週の為替相場、武市はこう見る [2021年04月19日(月)]

2021年04月19日

「米国債利回りの頭打ち観測」を背景に、先週のドル円はほぼ一貫して“下値探り”となりました。
先月末には“1.77%”へ上昇したものの、その後は“一服”となっており、直近は「節目(1.70%)回復 VS ネックライン(1.587%)割れ」の攻防戦を演じていました。
ただそれが“下に放れた”ことを機に、“ドル売り”が鮮明となったからです。
14日に“109円ライン”を割り込むと、翌15日にはそのまま“108.607円”へとさらに値を落としました。

一方で先週発表された「米経済指標」は、引き続き“好内容”が目立ちました。
「米小売売上高」は“過去2番目の高い伸び:+9.8%”を見せており、「新規失業保険申請件数」は“コロナ禍以降の最小:57.6万件”を記録しています。
事前予想を下回る経済指標もいくつか存在しましたが、“概ね好内容”が相次いだことに変わりはなさそうです。
さらに次回FOMCの叩き台となる「米地区連銀経済報告〈ベージュブック〉」では『経済活動は全地域で緩やかなペースに加速』とされていますので、“米経済回復期待→世界経済回復期待”という構図も維持されています。
つまり“利回り低下→ドル売り”という現在の動きは、「ファンダメンタルズに沿ったものではない」と見るのが自然ということになります。

“ネックライン(1.587%)割れ”という事象は、テクニカル的には“さらなる下値追い(米10年債利回り低下)”を意識するには十分な材料といえます。
このため“米金利先高観後退→さらなるドル売り”という構図は、意識(懸念?)せざるを得ないのも事実です。
しかし「米景気回復シナリオ」が崩れたわけではなく、“ドル円のネックライン(108.402円)”は依然として維持されています。
さらに「利回り低下の幅」に比べて、「ドル売りの幅」は徐々に縮小してきているようにも見えます。
これが「織り込み度の違い」なのか、それとも「ポジションの偏りの違い」なのかは定かではありませんが、少なくとも「それらを見極める」という過程に迫られると見るのが妥当です。
つまり“底割れ→さらなる利回り低下→ドル売り加速”を囃すのは現時点で早計といわざるを得ず、“下げ渋り”でも見られるようなことがあれば一気に“底打ち→巻き戻し加速”となってもおかしくない分水嶺…。

今週は主だったイベントが不在となるだけに、「ドル円再浮上」を見出せるかは微妙といわざるを得ないところがあります。
それでも「米景気回復シナリオ」が崩れたわけではないだけに、あくまでも「ポジション調整の範囲内」と見て、次なる動きに備えたいところです。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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