「日米金融当局の立ち位置の違い」を背景に、先週も“ドル買い（+円売り）”は留まるところをしりませんでした。
このため20日には“129.401円”へと駆け上がる場面が見られたわけですが、その後は“高止まり”に転じています。
「IMFの2022年世界経済成長率予測・下方修正」や、あるいは「日米協調介入について議論」との報が、上値を押さえているからです。
一方で“反落”するには至っておらず、端的にいえば“上げ渋り”というのが実状といえます。
「次回FOMC（来月3-4日）」に向けて、米国では「ブラックアウト期間」にすでに突入しています。
このため“タカ派発言”が今後は跳び出すことはなく、「経済指標次第」といった展開になりやすいと見るのが自然です。
それでいて直近の“タカ派発言”が「市場との対話」だと考えれば、幾分かは“割り引いて”捉えることも肝心ということになりかねません。
一方で「日米協調介入」がそう簡単に入るとは思いませんが、これまでのように“ドル買いに安心感”といったところまでは踏み込みづらくなったとも考えられます。
もっとも「次回日銀会合（27-28日）」での“政策変更”が想定しづらい以上、「日米金融当局の立ち位置の違い」に大きな変化はないとは見られます。
このため“ドル買い（+円売り）”そのものに大きな変化はないと見られますが、一方で「日本の大型連休（GW）」を控えたスケジュール感でもあります。
そう考えると“急反落”は想定しづらいものの、“さらなる上値追い”は手控えられると見るのが、目先は妥当かもしれません。
いずれにしても、今週に関しては「ファンダメンタルズ」に大きな変化はないと見られますので、主に「テクニカル」中心の動意と考えたいところです。
強いて今週のポイントを挙げるとすれば、「米10年債利回りの3％超」があるのか？ないのか？でしょうか…。
《12:09》
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プロフィール
武市佳史（たけちよしふみ）
大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー（AFP）。 日本におけるFX（外国為替証拠金取引）の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。
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