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YEN蔵の外国為替見聞録

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米中交渉の進展によるリスク選好の中で新興市場も堅調に

2019年11月08日

今週は米中交渉の合意が近づいているとの報道の中でリスク選好の流れが続いています。さすがにここまで上昇ピッチの速かった米国株や日本株は5日、6日には伸び悩む局面もありました。しかし7日の欧州時間に中国商務省の報道官が発動した追加関税を段階的に廃止することで合意との報道でドル円は109円台に上昇するなどリスク選好の動きになりました。第1段階の合意には追加関税を同時に撤廃する必要があるとしています。
7日のニューヨーク市場ではダウが200ドル超の上昇、日経平均先物は23620円まで上昇しています。

今週のここまでの新興市場の動きを見ると(木曜日ニューヨーククローズ)ドルトルコリラは0.7%上昇、リラ円は0.07%上昇、ドルランドは1.92%下落、ランド円は2%の上昇、ドルメキシコペソは0.15%の上昇、ペソ円は0.99%の上昇となっています。対ドルに対しても上昇しているのは南アフリカランドだけでランドの堅調さが目立ちます。
ランドに関しては前回も書きましたが、格付け会社ムーディーズが1日の投資判断見直しで格付けを最低水準ではありますが投資適格のBaa3に据え置いたことを好感したランド買いとなりました。
ただ見通しは安定的からネガティブに引き下げました。ネガティブという見通しは向こう1年から1年半の間に格下げの可能性があることを示唆しています。現在、南アフリカの格付けは他の大手2社の格付け会社が投資不適格なので、ムーディーズの投資適格を失うと南アフリカ国債はWGBI(世界国債インデックス)から除外され南アフリカから大規模な資金流出が起こる可能性があります。

前回も書きましたが10月30日にムボウェ二財務相はMTBPS(Medium Term Budget Policy、中期財政計画)を発表しました。MTBPSは毎年10月に発表され、これをベースに推して翌年2月に提出される来年度予算案の編成作業が進むことになります。
今回の発表で注目されるのは財政見通しの大幅な悪化でした。財政収支の2019~20年度の見通しは2月の-4.5%から-5.9%に2020~21年度は-4.3%から-6.5%、2021~22年度は-4%から-6.2%、2022~23年度は-5.9%となりました。
足元の財政赤字の悪化はさておき。2022~23年度においても財政改善の兆候が見られないことが今回のMTBPSでは市場関係者にはショックとなり発表直後にランドは売られました。
ここら辺がムーディーズが見通しをネガティブに引き下げた原因ではないかと思われ、2月の予算編成に向けて歳入不足を補うための増税等の政策や歳出削減が盛り込まれるかどうかが注目され、それがない場合は長期的に南アフリカにとってはマイナス材料になる可能性があります。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

新興国通貨 四本値とフィボナッチリトレースメント


チャートはランド円の日足と時間足。表は今週のドルトルコリラ、リラ円、ドルランド、ランド円、ドルメキシコペソ、ペソ円のオープン、高値、安値、クローズ(7ニューヨーククローズ)とそれぞれフィボナッチリトレースメントです。

ドルランドはムーディーズの決定を受けて1ドル=15ランド付近から昨晩は14.66ランドまでランド高が進みました。14.50付近は8月以降のランド高レベルで、ここを下抜けできればランド高が加速し14.20付近へのランドの上昇が予想されます。14.50がサポートされれば14.5~15.20(一目均衡表の雲の上限、前回高値は15.20)のレンジが想定されます。
ランド円は一目均均衡表の転換線の7.313円、雲の上限の7.29円付近がサポートとなり、10月28日の高値7.506円のレンジで推移しています。
7.5円を上抜けできれば8月1日の下落前のサポートレベルである7.6円への上昇が予想されます。
一方で7.29円を下抜けした場合は10月31日の安値7.12円がターゲットになります。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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