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YEN蔵の外国為替見聞録

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メキシコ中銀の利下げの影響は?

2019年11月22日

先週はメキシコ中央銀行の利下げについてふれましたが、もう少し詳しく掘り下げてみたいと思います。
メキシコ中央銀行は政策金利を市場の予想通り0.25%引き下げて7.5%としました。
現在メキシコのGDP成長率は7~9月期-0.4%、4~6月期-0.8%と前期に比べてやや回復したものの低迷しています。声明文では「2019年と2020年のGDP成長率の予想2019年4~6月期に四半期報告書を下回りそう」と述べています。

メキシコ中銀のインフレターゲットは3%±1%ですが、10月のヘッドラインのインフレ率は3.02%と急速に低下する一方でコアインフレ率は3.68%とメキシコ銀行の予想通りにほぼ推移しており目標レンジの高い位置で推移しています。
メキシコ銀行の声明文では前回、前々回とほぼ同じで「ヘッドラインインフレ率の中銀の目標(3%±1%)に整合的に向かうように今後の情報に基づいて必要な行動を取る」と述べています。これはヘッドラインインフレ率が急速に低下する中で、成長率の減速も見られることから、今後のメキシコ中銀の政策スタンスは利下げスタンスを継続するものと思われます。

利下げに関してはふたつの懸念材料があります。ひとつはFOMCでは警戒的利下げが一旦休止で米国の金利がしばらく動かないこと。そうなるとメキシコ金利が低下していくと米国とメキシコの金利差が縮小して、メキシコから資金が流出する可能性があることです。新興国はどこもそうですが先進国と比較して金利が高く特に米国の金融政策の影響を大きく受けます。米国の利上げ局面では新興国から資金が米国に戻る傾向があり新興国通貨の下落要因になります。今回は利下げ局面ですがやはり金利差の縮小の影響がでるかもしれません。

一方でロペス・オブラドール政権のスタンスも懸念材料です。前回も書きましたが左派的政策で民間主導経済に介入する姿勢が景気減速の原因のひとつになっています。近いうちに最低賃金引き上げの改定が予想されています。インフレ率の低下にも関わらず昨年のような大幅に賃金の引き上げを行った場合、コアインフレ率が上昇する可能性もありインフレ率の上昇が懸念されます。
そうなるとメキシコ中央銀行が利下げを躊躇する可能性もあり、そうなると景気の減速に対するサポートが失われる可能性があります。

現状ではインフレ率3%台に対して7.5%の政策金利は高く感じられ、景気刺激のためにも利下げが期待されますが、大幅な賃上げは利下げのスピードを落とさせる懸念もあります。
また国営石油会社Pemexへの財政支援や左派的な政策による支出拡大が行われた場合に市中金利が上昇し、メキシコ中央銀行の金融緩和が難しくなるなどの可能性もあり、政権に対する懸念材料が金融市場の不安材料になる可能性があり、そこからメキシコペソの下落要因になる可能性には留意しておいたほうがよいかもしれません。

新興国通貨 四本値とピボットポイント



ドルメキシコペソは先週金曜日の終値1ドル=19.1785ペソから19.3885付近へ上昇しペソ安となっています。19.10付近がサポートされ一時19.5537付近に上昇するなど今週はドル高ペソ安になっています。ドルトルコリラやドルランドが下落(リラ高、ランド高)となるなかでメキシコペソは売られています。
ここら辺はやはり政権に対するマーケットの不安感が出ているのかもしれません。19.65ペソ付近が10月前半の戻り高値と一目均衡表の雲が位置して、このレベルがレジスタンスとなれば19~19.65ペソのレンジと想定されます。

MXN/JPY 日足BIDチャート


ペソ円は18日に高値5.677円の高値から20日は5.547円まで下落しペソ安となりましたが5.604円付近で推移しています。
11月7日の高値5.726円付近がダブルトップになり下落トレンドが続いています。節目の5.55円付近は10月3日の安値5.377円から11月7日の高値5.726円のフィボナッチ・リトレースメントの50%戻しに当たり、一目均衡表の雲の下限も位置しています。
5.55円が維持できれば5.55~5.726円のレンジが想定されます。5.55円を下抜けしてしまうと61.8%戻しの5.51円、76.4%戻しが5.46円円付近への下落が想定されます。5.46円付近には一目均衡表の雲の下限となっています。

注 ドルメキシコ、メキシコペソ円の日足は昨日のニューヨークの終値までの4本足を利用しています

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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