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YEN蔵の外国為替見聞録

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新興国通貨は全般的に堅調なかでメキシコの金融政策とペソの投資戦略

2019年12月27日

今週の新興市場はクリスマス休暇の週のため営業日が少なく方向感がつかみづらいのですが、総じて堅調な動きとなっています。

FRBは12月で一旦予防的な利下げを休止しましたが、ブラジル、トルコ、ロシア、メキシコが利下げを行い、新興国は多くの国が依然として金融緩和の姿勢を継続しています。

12月19日にメキシコ中央銀行は予想通り政策金利を0.25%引き下げて7.25%としました。5名の理事のうち4名が0.25%の利下げ、1名が0.5%の利下げを主張し利下げとなりました。
声明文のトーンは前回とほぼ同様でしたがポイントは3つあります。
1番目はインフレ率が11月の四半期インフレ報告書の見通しを下回る予想をしており、このことは金融緩和の姿勢が継続される可能性が高いものと思われます。
2番目は財政悪化のリスクや来年1月に行われる最低賃金の大幅な引き上げがインフレの上昇のリスクとして指摘されました。ロペス・オブラドール政権の左派的な政策によって、来年1月の賃上げが予定されていますが、インフレ率への影響を見極めるためにメキシコ中央銀行が緩和を一旦休止する可能性はあります。
最低賃金の引き上げで雇用が減少し経済が減速した場合はインフレ率の上昇が起こらない可能性もあります。
インフレ率が高まる場合、また12月でFRBが利下げを休止したことでメキシコの利下げは金利差縮小で通貨安になるケースもあり、その場合は利下げを見送る可能性は十分にあります。
一方で国内景気が減速していることで輸入の減少が国際収支を好転させてメキシコペソをサポートします。またUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が署名されたことによって、米国からの追加関税のリスクと通貨安圧力が減少したことなどは利下げの後押しとなります。

これらを考えると2月13日の次回会合で利下げを行うかどうかは今の時点では状況次第だと思われます。
しかしメキシコ中央銀行の金融緩和のスタンスは継続しており、2020年は数回の利下げの可能性があるものと思われます。

ドルメキシコペソは1ドル=18.886ペソ付近まで下落し7月以来のドル安ペソ高水準になっています。
ただ18.88付近がサポートして揉み合いとなっており、最近の高値である19.06付近を上抜けすると19.18ペソ付近までドル高ペソ安になる可能性があります。しかし19.06を上抜けできないとドル安ペソ高が継続する可能性があり18.85ペソ付近へのドル安ペソ高になるものと思われます。


新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント



MXN/JPY 日足BIDチャート



メキシコペソ円は17日に5.797円と5月以来の高値圏に上昇しました。その後5.75円まで下落しましたが前回高値の5.73円付近がサポートとして機能し再び5.789円付近まで上昇しています。
5.73円がサポートできれば5月22日の高値5.82円を目指す動きになるものと思われます。
5.73円が維持されれば上昇トレンド継続、下抜けした場合は5.67円、5.64円付近への下落と予想します。

レートレンジ等は12月26日ニューヨーク終値を参照しています

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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