FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

YEN蔵の外国為替見聞録

最新の記事

FRBの利下げが新興国通貨に与える影響

2020年03月06日

【南アフリカの財政状況の続編】
先週も書きましたが、2月26日に南アフリカのムボウェニ財務相は2020年度の財政演説を行い2020年~2021年度の財政予算案を発表しました。今回の予算案は2019~20年度の予算案のGDP比-6.3%(中期財政計画では-5.9%)より-6.8%(中期財政計画では-6.5%)と財政収支は悪化しました。
景気低迷を受けて経済成長率の想定を下方修正したことで、歳入見通しが大幅に下がったことが原因でした。2020~21年度の成長率見通しは1.7%(2019年財政演説2019年2月)、1.2%(2019年中期財政計画2019年10月)、0.9%(2020年財政演説2020年2月)と引き下げられました。成長率の見通しの引き下げに伴い、財政収支の対GDP比は-4.3%、-6.5%、-6.8%と悪化してきました。
ラマポーザ政権はこれに対して税制の改正は盛り込まず、歳入の拡大が期待できない中で歳出を大幅に削減しましたがそれでも歳入の落ち込みをカバーできない状況です。
政権は改革派として期待され、歳出の膨張は抑制しましたが、インフラ投資、教育など長期的な国の発展に寄与するための予算を確保するための財政改革はほぼできていない状況です。
国営電力Eskomの改革も労働組合の反対で進まず、与党アフリカ民族会議は重要な支持基盤の労働組合との対決をしてまで改革に踏み込めない状況が続いています。
今回の財政演説による金融市場の期待値は高いものではありませんでした。そのために演説後のランドの下落は限定的でしたが、ランドは対ドルで、すでに年初の14ランドから15.3ランドに下落しておりランドの売りがすでにかなり出ていた模様です。
今回の演説を受けて南アフリカ国債の信用状況がさらに低下したことは間違いありません。今後の南アフリカの格下げという現実が一歩近づいたものと思われます。

【新興国通貨売りは止まったか?】

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


先週まで多くの新興国通貨は下落していました。IIF(国際金融協会)が発表した統計によると、2月半ば以降に新興国から250億ドルの資金が流出しました。株式からは185億ドル、債券からは65億ドルの流出がありました。
ドルランドは1月初旬の14ランドから15.8ランド付近に、ドルトルコリラは1月下旬の5.85リラから6.25リラ付近に、メキシコペソは2月中旬の18.6ペソから19.9ペソと新興国通貨は下落しています。南アフリカのところで書いたように、それぞれ下落の原因はありましたが、それまで堅調だったメキシコペソが2月20日から下落したように、最近のコロナウィルスの感染拡大によるリスク回避の流れが新興国通貨の下落を加速させています。
3月3日のFRBの緊急利下げによってドルの上昇が一服して、新興国市場の下落も一旦止まっています。長期のチャートを見るとドルランドは2016年5月の高値15.98付近、ドルトルコリラは2019年5月の高値6.2460、ドルメキシコペソは2019年9月の高値19.8620付近が直近のレジスタンスレベルとして意識されます。
目先は下落が続いていた新興国通貨がFRBの利下げによってドル売り新興国通貨買いとなるかポイントになります。3月17~18日に行われるFOMCでさらに0.25%の利下げ期待もあり、そのことは短期的には新興国通貨にとって下落の抑制材料になります。
もちろん各国それぞれに事情やコロナウィルス感染拡大によるリスク回避の流れが新興国通貨の下落材料にはなりますが、FOMCの緩和姿勢が続くようであれば下落一服となる可能性もあります。

ZAR/JPY日足BIDチャート


南アフリカランド円は先週書いたように重要サポートの7円を下抜けして昨年8月26日の安値6.769円を目指す動きとなり一時下抜けして6.734円まで下落しましたが、その後反発して6.844円付近で推移しています。今回の安値6.734円がサポートできるか、できれば6.734~7.2円のレンジが想定されます。

TRY/JPY日足BIDチャート


トルコリラ円は3月2日に17.087円まで下落しましたが、そこがサポートされ17.816円まで反発しました。ここには一目均衡表の基準線、転換線が位置しており短期的なレジスタンスになっています。17.816からサポートされていた18円のゾーンが上抜けできないと17~18円のレンジが想定されます。

MXN/JPY日足BIDチャート


メキシコペソ円は2日に5.587円まで下落後5.607円付近まで反発しましたが、ここには一目均衡表の転換線が位置しレジスタンスになっています。昨年8月25日の安値5.187円が射程に入り、ここが維持できれば5.187~5.6円のレンジが想定されます。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > YEN蔵の外国為替見聞録 > FRBの利下げが新興国通貨に与える影響